クロアチアのザグレブを拠点とするロボット・AI関連のスタートアップであるGideon Brothers(ギデオンブラザーズ、GB)は、Koch Industries Inc.のベンチャー・成長部門であるKoch Disruptive Technologies(KDT)がリードするシリーズAラウンドで3100万ドル(約34億円)を調達した。DB Schenker、Prologis Ventures、Rite-Hiteもラウンドに参加した。
今回のラウンドでは、Gideon Brothersの既存の投資家も複数参加した。Taavet Hinrikus氏(TransferWiseの共同創業者)、Pentland Ventures、Peaksjah、HCVC(Hardware Club)、Ivan Topčić(イワン・トプチッチ)氏、Nenad Bakić(ネナド・バキッチ)氏、Luca Ascani(ルカ・アスカニ)氏などだ。
今回の投資は、GBのAIと3Dビジョンを活用した「自律移動ロボット」(AMR)の開発と商品化を加速するために使用される。AMRは商品の運搬、集荷、受け入れなどの単純作業を行い、人間はより価値のある作業に専念できるようになる。
また、ドイツのミュンヘンとマサチューセッツ州ボストンにそれぞれオフィスを開設し、EUと米国で事業を拡大する。
Gideon Brothersは物流、倉庫、製造、小売業向けの水平・垂直方向のハンドリングプロセスに特化したロボットと、それに付随するソフトウェアプラットフォームを手がけている。理由は明らかだが、パンデミックの際には、サプライチェーンのロボット化の必要性が爆発的に高まった。
GBのCEOであるMatija Kopić(マティーヤ・コピック)氏は次のように述べた。「パンデミックにより、スマートオートメーションの導入が大幅に加速していますが、当社は前例のない市場の需要に対応する準備ができています。そのための最善の方法は、当社独自のソリューションを、世の中で最も大きく、最も要求の厳しい顧客と結びつけることです。当社の戦略的パートナーが抱える真の課題は、当社のロボットがすでに解決しつつあるものです。彼らは我々とともに世界で最も革新的な組織にロボットによる変革をもたらすすばらしい機会を捉えようとしています」。
さらにコピック氏は付け加えた。「このような先進的な業界のリーダーとのパートナーシップは当社のグローバルな活動の拡大に役立ちますが、我々は常にクロアチアのルーツに忠実であり続けます。それは私たちのスーパーパワーなのです。クロアチアのスタートアップシーンは急激に拡大しており、我々はこの国がロボットとAIの大国になるためにさらなる機会を引き出したいと考えています」。
Koch Disruptive Technologies(KDT)のディレクターであるAnnant Patel(アナント・パテル)氏は次のように述べた。「全世界で300以上のKochのオペレーションと生産ユニットを担うKDTは、最先端のAIと3D AMR技術により企業が倉庫や製造プロセスにアプローチする方法を著しく変革するGideon Brothersの技術の独自性と可能性を理解しています」。
DB Schenkerのコントラクト・ロジスティクス担当取締役のXavier Garijo(サビエ・ガリコ)氏は「Gideon Brothersとのパートナーシップにより、クラス最高のロボットやインテリジェント・マテリアル・ハンドリング・ソリューションへのアクセスが確保され、最も効率的な方法で顧客にサービスを提供することができます」と述べた。
GBの競争相手はSeegrid、Teradyne(MiR)、Vecna Robotics、Fetch Robotics、AutoGuide Mobile Robots、Geek+、Otto Motorsなどとなる。
カテゴリー:ロボティクス
タグ:Gideon Brothers、クロアチア、倉庫、資金調達
画像クレジット:Gideon Brothers robots
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(文:Mike Butcher、翻訳:Nariko Mizoguchi)