AIがプレゼントを提案するギフト特化型モール「Giftmall」が15億円を調達

ギフト特化型ECモール「Giftmall(ギフトモール)」を運営するギフトモールは5月18日、15億円の資金調達を発表した。第三者割当増資の引受先はジャフコが運営するファンドで、ギフトモールにとってはシリーズAラウンドの調達にあたる。

ギフト通販サイトとしては、ベルメゾンやディノス、シャディといったカタログ通販発の企業が運営するものが既にいくつかあるが、Giftmallの特徴は「モール型であること」「ギフト・プレゼントに特化していること」だとギフトモール代表取締役の藤田真裕氏は説明する。

「アパレルの世界で、ZOZOTOWNがモールとして各社の商品を扱っているのと同様に、ギフト・プレゼント領域のモールとして、自社商品を持つ企業にも声をかけ、商品を扱わせてもらっている」(藤田氏)

父の日・母の日、誕生日などのイベントや贈る相手、商品カテゴリからギフトを選べるほか、閲覧履歴を使ってAIによる商品提案も行う

ギフトモールは2014年8月の設立。藤田氏はリクルートホールディングスの出身で、在席中の2009年からサイドプロジェクトとしてメディアづくりを行ってきた。2013年にシンガポールへの移住とグローバルでの事業展開を決意し、2014年6月に退職、起業した。

ギフト領域に踏み出したきっかけは、両親へのプレゼントで何をあげればよいか分からず迷った体験にあると藤田氏は言う。「Amazonや楽天などの一般的なECや、カタログ通販でECへ進出した企業などもあるが、プレゼントで利用しようとするといろいろと課題もあって、改善点が多い領域だと感じた」(藤田氏)

Giftmallでは、利用シーンをギフトに特化したことで、ギフトならではのUXの磨き込みを行っているという。また、藤田氏は「テクノロジー企業としてデータを重視し、ギフトECのプラットフォームを提供している」と話している。これまでにステルスで展開してきた複数のメディアのインプレッション、コンバージョンデータを機械学習で分析。100万人を超える購買データをベースに、AIが27万点のアイテムの中から、ユーザーの閲覧履歴や購買情報に即したギフトを提案するという。

今回の調達資金は「グループ経営体制の構築に投資する」と藤田氏は述べている。今までにも複数メディアを展開してきたが、この3月にはトレンダーズの子会社でギフトEC事業を手がけるBLTの全株式を取得。同社が運営する「Anny」をグループ傘下に入れた。「今後もグループとして、中長期的にプラットフォームを増やしていく」と藤田氏はいう。

また直近ではロジスティックスの強化、人材採用強化も図っていくとのことだ。「商品や倉庫・物流の拡充は先行して実施しているが、より件数をさばけるようにしたい。また、人材については少数精鋭をモットーに、リファラル採用を中心に行っているが、将来を見据えて投資していきたい」(藤田氏)

新型コロナウイルス感染症の影響で、直接店頭に出向いてギフトを選びにくい環境になっていることから、「ここ数カ月の事業はかなり伸びている」という藤田氏は、「ギフトが増えることはコミュニケーションが増え、スマイルが増えること」と語る。現在ギフトプラットフォームを展開する日本、インドネシア、インドに続き、近々ベトナムでもサービスをローンチ予定だと話していた。

ギフトモールのメンバー。写真右上が代表取締役の藤田真裕氏