プログラミング教育のライフイズテックと大阪府が高校向け大阪版情報教育モデルの構築に向け連携協定を締結

プログラミング教育のライフイズテックと大阪府が高校向け大阪版情報教育モデルの構築に向け連携、教員研修とモデル校で先行導入

中学生・高校生向けIT・プログラミング教育サービス「Life is Tech !」(ライフイズテック)を展開するライフイズテックと大阪府教育委員会は1月19日、高校における情報教育モデル構築に関して連携協定を締結したことを発表した。これにより、2022年度から高校の必修科目となる「情報Ⅰ」に対応したプログラミングおよびデータサイエンスの教員向け研修、学習プログラムの整備を実施する。

連携協力事項

  • 府立高等学校等の情報科教員の指導力向上及び授業実践方法の研究に関すること
  • 府立高等学校等における情報教育の実施及び教材の利用に関すること
  • 先行実施するモデル校に対し、今後の情報教育の在り方の検討及び情報教育がもたらす生徒への教育効果の実証などを目的とした調査に関すること
  • 府立高等学校などにおける実践事例の他自治体などへの広報および普及に関すること
  • 前号に掲げるもののほか、甲および乙が必要と認めること

具体的な取り組みとしては、次の3つ。

  • 教え手の育成:教育委員会、情報部会、校長会と連携しながら、オンライン完結プログラミング教材「Life Is Tech Lesson」(ライフイズテック レッスン)を使った教員の研修を実施。教員自らが教わる体験を通じて、情報科教員の指導力を強化する
  • 学習プログラムの提供:希望するモデル校に「Life Is Tech Lesson」を提供。ライフイズテックが伴走しながら生徒のプログラミングとデータサイエンスに関する知識とスキルの習得を目指す
  • 効果測定:プログラミング教育は、基礎学習・非認知能力・自尊感情を向上させるとの仮説に基づき、モデル校での生徒の意識の変化を検証する。このデータを基に授業内容の振り返りや改善を行い、大阪府のプログラミング教育のアップデートの継続を目指す

2020年に「府立学校スマートスクール推進事業」を掲げた大阪府は、GIGAスクール構想による「1人1台端末」の配備率や、情報科担当教員の専任率が全国でトップクラスだという。この連携協定を通じてより高いレベルで情報教育を進めるため、教員の資質を向上させ、モデル校での「Life is Tech Lesson」の利用を通じた学習プログラムの整備を行うとしている。

ライフイズテックは、2010年に「中高生ひとり一人の可能性を一人でも多く、最大限伸ばす」をミッションに設立したEdTech領域のスタートアップ。同社が運営するLife is Tech !は、のべ5万2000人以上が参加するITキャンプ・スクールという。

またオンラインで学べるディズニー・プログラミング学習教材を開発し、2018年に日本で「テクノロジア魔法学校」を販売、2019年には米国で「Codeillusion」(コードイリュージョン)を販売し、Life is Tech USA, Inc.を立ち上げた。2019年には、新学習指導要領に対応した学校向けオンラインプログラミング教材としてLife Is Tech Lessonを提供開始。同教材は、2021年9月末時点で全国の300以上の自治体、約1650校の公立・私立学校、約32万人が利用しているという。

中高生向けに「はじめてのAppSheet」、エクシードがGoogleのノーコードツールAppSheet用教材を11月から提供開始

中高生向けに「はじめてのAppSheet」、エクシードがGoogleのノーコードツール「AppSheet」用教材を11月から提供開始

子ども向けプログラミング教室「Tech for Elementary」(TFE)の運営などを行うエクシードは10月13日、中高校生向けにGoogleのノーコードツール「AppSheet」が楽しく学べる教材「はじめてのAppSheet」を、TFE向け教材として2021年11月より提供開始すると発表した。

TEFでは、「ひとりでも多くの子どもたちにプログラミングの機会を提供する」というミッションのもとで、映像授業をベースとしたプログラミング教室を、フランチャイズ事業として展開している。そこでは、ビジュアルプログラミング言語「Scratch」の他、その次の段階として本格的なテキスト形式のプログラミング言語を使ったアプリ開発なども教えているが、プログラミング言語へ歩を進める生徒は全体の2割前後しかいないという悩みを抱えている。

その原因としては、プログラミング言語が難しい、教えられる講師が少ない、追加の授業料を払える保護者が少ない、中学生になると勉強や部活で忙しいといったことが考えられる。そこでエクシードは、Scratchと本格的なプログラミング言語をつなぐ中間的な存在として、GoogleのAppSheetを採り入れ、ノーコードでの本格的なアプリ開発のための映像授業を開発した。

AppSeetは、GIGAスクール構想で導入されている端末のうち約40%を締めるChromeOSで利用できるスプレッドシート「Google Sheets」との親和性がよく、無料で使えるなどの点で選ばれた。本格的なアプリやインターフェイスが構築でき、テキスト形式のプログラミング言語や「情報」科目への興味につながること、さらに、将来の進学や就職にも役立つことが期待されている。

中高生向けに「はじめてのAppSheet」、エクシードがGoogleのノーコードツール「AppSheet」用教材を11月から提供開始

GIGAスクール構想で導入されている端末のOSシェアは、ChromeOSが40.1%、Windowsが30.4%、iOSが29.0%となっている。その他には、AndroidとMacOSを含む。文部科学省「GIGAスクール構想の実現に向けた端末の利活用等に関する状況(令和3年7月末時点)について(速報値)

エクシードは今回の教材提供を、「中高生という時期において、テクノロジー教育が断絶してしまうのではという危惧、危機感と、DX人材や市民開発者の早期育成を民主化することで、IT人材の量的確保に貢献できるのでは、という希望が伴ったもの」だとと話している。