Googleが昨年、Android Marshmallowについてアナウンスした際、もっとも注目を集めたのはNow on Tapの機能だったのではなかろうか。操作時点でスマートフォンないしタブレット画面に表示されている内容に関連するコンテンツを検索してくれる機能だ。
そのNow on Tapに、3つの新機能が加わってさらに便利になった。Now on Tapが「賢くなった」と言っても良いだろう。
実装された新機能のまずひとつ目は、どのアプリケーションを使っているときでも翻訳を可能にしたものだ。Chrome利用時には表示コンテンツを翻訳する機能がすでに搭載されていたが、他のネイティブアプリケーションでは使うことはできなかった。それが、Now on Tapにより「すべてのアプリケーション」に、翻訳機能を実装することとなったわけだ。翻訳したいコンテンツを表示している最中にNow on Tapを起動して、新たに表示されるようになった「translate this screen」を選べば良い。表示されている文章が、スマートフォンで利用している標準言語に翻訳されるのだ。Now on Tapの翻訳機能は、現在のところ英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、およびロシア語への翻訳に対応しているとのことだ。
さらに新機能のその2として、「Discover」というセクションが登場した。ここでは関連する話題やビデオなどを見ることができる。ちょっと使ってみたところでは、なかなか役立つ情報が表示されているように思う。
最後にに3つ目として、カメラを使いながらNow on Tapを利用できるようになった。バーコードないしQRコードをカメラでとらえながらNow on Tapを起動すると、バーコードを認識して関連情報を表示してくれるのだ。たとえば書籍のバーコードで試してみると、ただちに出版社および書籍の情報を表示してくれた。さらにチョコレートについているバーコードをうつしながらNow on Tapを起動してみると、商品名が表示された。残念ながら、ただちに当該プロダクトをオーダーするようなインタフェースは提供されていないようだ。ただし商品名がわかったのなら、そこからGoogle検索を行なってAmazonやメーカーのサイトにジャンプすれば事足りる話ではあるかもしれない。Googleによれば書籍やDVDなどなど、さまざまな製品で利用できる機能だとのことだ。
ところで今回のアップデートでも、Now on Tapが抱える最大の問題は放置され続けることとなった。すなわち「知らない人は気づかない」問題だ。Now on Tapの機能を知らない人は、ホームボタンの長押しなどしないかもしれない。Now on Tapに気づいてもらうのに、おおいに「偶然」に頼っている感じなのだ。Now on Tapが非常に便利であるだけに、知らない人にも気づいてもらえる仕組みを考えるべきだと思うのだがどうだろうか。
(訳注:訳者の所有する端末では、まだNow on Tapのアップデートは確認できていません)
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(翻訳:Maeda, H)