クラウドの普及で、外付けハードディスクはドードー鳥のようにほぼ絶滅した。常時onの高速インターネットというものがある時代に、あの面倒ですぐ壊れるハードディスクを誰が必要とするのか。でも、でも、しかし、バックアップやストレージ用に、超高密度な高速ハードディスクが、ときには必要になるかもしれない。その、今のところ最強の候補として、Seagateの299ドルの、4TBのUSB 3.0対応高速ドライブ(Seagate Fast HDD USB 3.0 4TB)を調べてみよう。
ハードディスクのレビューを書くことは、意外と難しい。これまでも、あまりおもしろいのはなかったから、応用できるお手本もない。要するに、あまり書くネタがない。このドライブのおもしろいところは、密度、それだけだ。しかし4.6″ x 3.2″ x 0.88″というタバコ一箱ぐらいのサイズで4テラバイトは、たいしたものだ。5400 RPM 2TB が2本、RAID 0の構成で入っており、電源はUSBのみ。デュアルヘッドのUSB 3.0ケーブルがついていて、通常はそれで十分。ローパワーのポート用に、ドライブに電源を供給するための第二のUSBジャックがある。標準の、シングルヘッドのUSB 3.0 ケーブルもある。
箱から出してすぐに使える。OS Xのユーザ用にNTFSのドライバがある。Time Machineのある人は、Mac OS Extendedにフォーマットしてもよい。
Time Machineによるバックアップでは、188GBのデータを約50分でバックアップできた。SSDからの800MBの転送(USB 3.0)が約5秒。Blackmagic Disk Speed Testのベンチマークテストもやってみた(下図)。
Seagate Fast HDD USB 3.0 4TB
これ(上図)が、そのドライブのベンチマークだ。平均220MB/sはそんなに速いと感じないが、前世代の機種を押入れの奥から引っぱり出してきてベンチマークすると、こうだ(下図)。
Seagate Backup Plus Portable (USB 3.0)
このドライブ(上図)、SRD0SP0と、今度の機種を比較するのは、たしかにフェアではない。最高がUSB 3.0で100MB/sで、決して悪くはないが、Fast HDDの220MB/sにはかなわない。
APPLE SSD SD0256F
SSDと比較するのも、フェアでないかもしれない。上図は、Macbook Proの2013エディションのSSDだ。今回のSeagateのドライブは、まあだいたいSSDの半分ぐらいの速度だ。
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このハードディスクは、筐体は頑丈に見えるが、長旅には持参しない方がよいだろう。ただし、緩衝材をばっちり使ったバッグなら、たぶん大丈夫かも。
この、4TBで299ドルというハードディスクは、SSDにはかなわないものの、前世代機の倍速い。1テラバイトあたり75ドルだけど、とにかくこんなに小さくて4TBという容量には、驚いてしまう。でもRAID 0だから、うっかりデータを消去したときの回復はできない。しかし、小型で便利でポータブルなバックアップソリューションを探していた人には、恰好の機種かもしれない。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))