IEEEは、私が今月見た中でいちばんクールな研究プロジェクトを紹介した。昔の子供向け電子キットのようなシステムを使って人の嗅覚器官を刺激することで、匂いをシミュレーションするものだ。
このプロジェクトは相当気持ちが悪い。匂いをシミュレーションするために、研究者らは人の鼻にリード線を差し込み神経に直接つなぐ。マレーシアのImagineering Instituteのシニアリサーチフェロー、Kasun Karunanayakaは、博士課程の学生、Adrian Cheokと共に「多感覚インターネット」を作ろうと考えた。Cheokはニワトリに電子的ハグを送ったり、デジタルキスを初めて開発したインターネット有名人だ。
研究チームは数十人の被験者を集め、嗅球を刺激するために長いチューブを鼻に差し込んだ。信号の強さと周波数を変えることによって、いくつか興味深い実験結果が得られた。
被験者がもっとも多く感じたのは、彼らが良い香りまたは薬品臭と表現した匂いだった。中にはフルーティー、甘い、ミント味、木の香りなどと答えた人々もいた。
しかし最大の課題は、この幽霊のような香りを人の鼻にチューブを差し込まずに作り出す方法を見つけられるかどうかだ。この実験が、多くの被験者にとって不快なものだったことをKarunanayakaは認めている。「たくさんの人たちが参加を希望したが、1回テストしたあと帰っていった。我慢できなかったからだ。」
近い将来仮想嗅覚チューブを鼻の穴に入れる日が来ると私は思わないが、このアイデアは卓抜だ。たとえば、感覚が麻痺した人の嗅覚を取り戻すのに使えるかもしれない。決してうさん臭い提案ではない。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )