Omen(前兆)という言葉そのものには元々悪い意味はないけれども、でも日常的な英語としてはほとんどの場合、omen of deathみたいに悪いことの前兆として使われる。そのため、Omen自身もネガティブなイメージを帯びてしまっている。そしてそれは、キリストに反対する若者を主人公とする40年前の映画、The Omenのせいではないだろう。
解釈はご自由に、とHPが言ったとしても、でも同社が数年前に買収したVooDooから継承した、ギラギラ輝く赤目の美学(上図)の、今後の人気に貢献するわけではない。しかし、かつて“VooDooレガシー”のちょっとした製品化にすぎなかったものが今では、HPのゲーム専用機を指す独自のブランドに育っている。
今日の同社の発表は、今後発売される一連のデバイスの前触れだ。その主役であるOmen Laptopは15.6インチと17.3インチの二機種があり、重さはそれぞれ4.6ポンドと6.28ポンドだ。このOmenシリーズのデザインでいちばん目立つのは、“Dragon Red”と呼ばれる赤いバックライトのあるキーボードと“black shadow mesh”と呼ばれる網目状の蓋だが、この二機種もそれらを引き継いでいる。
GPUはNVIDIA GTX、CPUは第六世代のクァッドコアi7、ストレージは4TBのHDDまたは128GBのSSHDだ。ディスプレイは、4Kのオプションもある。また、最近のHPのコンピューターの多くがそうであるように、スピーカーグリルにはBang & Olufsenのロゴがある。15インチ機は900ドルから、17インチは980ドルからで、7月10日に発売される。
一方、Omen Desktopは8月発売だ。これはIntel Core i7-6700Kプロセッサーを搭載、RAM最大32GB、ストレージは3TBのHDDだ。GPUはNVIDIA GTX 1080 Founder EditionかAMD Radeon R9 390Xのどちらかを選べる。
HPは、今後の成長株であるVRのメイン機としては、あくまでもこのDesktopを推す気だ。同社はHTC Viveのデモをやっていたが、このシステムを仮想現実コンテンツ/アプリケーションのテスト機としても使う気のようだ。
そしてディスプレイもOmenブランドで、Omen by HP Displayと呼ばれる。それはOmen Desktop用に設計された32インチのモニターで、解像度はQuad HD、AMD FreeSync再生技術を採用している。これもやはり、8月発売だ。