小規模メーカーと大手建設業者を結ぶInfra.Marketが106億円調達、インドの最新ユニコーンに

インドで最新のユニコーン企業になったのは、世界で2番目に人口の多い同国の建設・不動産会社が資材を調達し、プロジェクトの物流を管理するのを支援するスタートアップだ。

設立4年目のInfra.Marketはインド時間2月25日、Tiger Globalが主導するシリーズCラウンドで1億ドル(約106億円)を調達したと発表した。Foundamental、Accel Partners、Nexus Venture Partners、Evolvence India Fund、Sistema Asia Fundなどの既存投資家もこのラウンドに参加し、同社を10億ドル(約1063億円)と評価した。

この新しいラウンドは、Infra.Marketのこれまでの調達総額を約1億5000万ドル(約159億円)に引き上げるもので、ムンバイに本社を置く同スタートアップがシリーズBラウンドを終了してからわずか2カ月後のことだ。同社は2020年12月のラウンドではポストマネーで約2億ドル(約212億円)の評価を受けていたと、この件に詳しい人物がTechCrunchに語った。この新ラウンドについて、Avendus CapitalがInfra.Marketにアドバイスを提供したという。

Infra.Marketは、塗料やセメントメーカーなどの小規模事業者が生産品質を向上させ、さまざまなコンプライアンスに対応できるように支援している。同社は、品質の低下がないことを保証するために、これらの小規模企業の製造設備にロードセルを追加し、さらにより良い原料を提供し、価格設定のガイダンスを提供できる他の企業との連携を支援している。また同社は企業と緊密に連携して、納期どおりに納品が行われるように保証している。

共同設立者のSouvik Sengupta(ソヴィク・セングプタ)氏は、このような改善により小規模製造業者は、取引先に対する期待度が高いより大口の顧客を獲得することが可能になったと説明している。同氏によると、Infra.Marketは小規模メーカーがインド国外の顧客を獲得するのにも役立っているという。同社のクライアントはバングラデシュ、マレーシア、シンガポール、そしてドバイにも存在する。

12月のTechCrunchのインタビューに対しセングプタ氏はこう語った。「当社は、これらの小規模製造業者にサービスレイヤーを提供し、彼らのビジネスを成長させることを可能にしています。当社はアセットを所有していませんが、プライベートブランドを作っています」。Infra.Marketは170社以上の小規模メーカーと提携しており、Larsen & Toubro、Tata Projects、Ashoka Buildconのような大手建設・不動産会社の大半を顧客としている。セングプタ氏によると、同社は400社以上の大口顧客と3000社以上の小規模小売業者に販売しているという。

セングプタ氏は12月に、2020年の初めにパンデミックが発生する前、同社はARR(annual recurring revenue、年間経常収益)1億ドル(約106億円)を叩き出す軌道に乗っていたと語った。少なくともパンデミック初期の2カ月間は、同社のビジネスはほぼ半減したという。しかし、同社は再びペースを取り戻し、現在は1億8000万ドル(約191億円)のARRを達成する見込みだ。同社はさらに、この数字を3月までに3億ドル(約318億円)に成長させることを目指している。

Tiger Global ManagementのパートナーであるScott Shleifer(スコット・シュライファー)氏は声明の中で、次のように述べた。「インドの建設資材サプライチェーンを再形成しつつあるInfra.Marketの成長の旅路において、ソヴィクとアーディータ(共同設立者Aaditya Sharda、アーディータ・シャルダ氏)と提携することができ光栄です。先駆的な技術革新とプライベートブランドを統合する能力を持つInfra.Marketは、力強い成長と健全な経済性、収益性を備えています」。

また、セングプタ氏は25日、次のように付け加えた。「インフラや不動産企業は、一貫した品質を確保し、遅延を最小限に抑えるために調達をシフトしようとしているため、需要は急速に加速しています」。

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タグ:Infra.Marketインド建設ユニコーン

画像クレジット:Dibyangshu SARKAR / AFP / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:TechCrunch Japan)