生化学テックを用いた本気の「出会い」サービス

いくつでもと言っては言い過ぎになるだろうが、「恋人」を探すためのサービスというのも多く提供されている。しかしその中で、2人のファウンダーの双方が女性であるというサービスは少ない。さらに「生物学的適合性」(biological compatibility)を恋人選びの基準として採用しているサービスというのはさらに少ないはずだ。

サービスは名前をSingld Outという。忙しくて積極的な恋活を展開できず、かといって写真だけを手がかりに人と会うのもどうかと考えている人々に向けたサービスだ。

確かに、写真は千もの言葉に値する情報を伝えてくれるかもしれない。しかしその言葉が「本当」のこととは限らないのだ。オンラインに掲載される写真やプロフィールと、直接見た時の印象があまりに違う人というのは多くいるものだ。そうしたところに着目して、Singld Outは相性の判断基準に、科学的な「適合性」を持ち込むこととしたのだ。利用を申し込むと、DNAテスト用の器具(簡単な唾液試料採取キットだ)が送られてくる。

Singld Outではアンケート形式の性格分析(こちらも「非常に精確」であるとのこと)と、Instant Chemistryと協力した生物学的な分析を併用する仕組みとなっている。遺伝子コードを分析し、HLA(ヒト白血球型抗原)やセロトニンについての情報を収集して、利用者の「相性」を分析するのだ。

Instant Chemistryによれば、とくにHLA内に存在する3つの遺伝子が生物学的適合性を判断するのに非常に重要なものであるそうだ。体外に分泌するフェロモンや、あるいは免疫システムに関係するものなのだそうだ。他の人に感じるフェロモン誘引的魅力というのは、実は自分とは(遺伝子レベルで)異なる免疫系を持っている人を伝えてくれる信号なのだとのこと。

またセロトニントランスポーター遺伝子は、外部からの刺激に対してポジティブな反応を示すのか、あるいはネガティブな反応を示すのかを決定するもので、これによりストレスレベルを測ることができるとのこと。

Singld Out曰く、人との関係においても生化学的な知識を活用することで、より良い人間関係を築くことができるのです、とのこと。

ウェブサイトの記述を引いておこう(サイトには参考情報へのリンクなども掲載されている)。

調査によると、異なる免疫系をもつカップルから生まれた子供は、より多くの感染症に対応することができるようになります。また、子供が強力な免疫システムを手に入れることができるというだけでなく、異なる免疫系を持つもの同士のカップルは充実した性体験を維持することができ、安定した結婚生活を送り、そして妊娠の確率もあがります。お互いをより魅力的な存在として感じることができるようになるのです。

なるほど。ではゲイカップルの場合についてはどうなのだろう。Singld Outとしては、生化学的な分析を通じてパートナーを選択することは、ゲイカップルについても有益であるはずだと考えているそうだ。但し、異性カップルの場合と同様の効果があるのかどうかについては、現在のところ調査中であるとのことだ。

Singld Outは自己資金で始められたサービスで、サンディエゴに拠点をおいている。拠点展開を視野に入れつつ、まずは利用者数の拡大を狙っている。

サービスは申し込み受付中で、申し込むとDNAキットが郵送されてくる。分析にはInstant Chemistryが試料を受け取ってから2日ほどかかる。

アンケート分析などについては、無料で試してみることもできるようになっている。DNA採取キットを使うには会員登録が必要だ。会費は3ヶ月で199ドルないし6ヶ月で299ドルとなっている(現在は期間限定割引中)。

原文へ

(翻訳:Maeda, H