Arduinoは好きだけど、唯一いやなのは…多くの人がぼくと同意見だと思うが…何かの機能を実現するためにシールド、つまりアドオンボードを買わなければならない場合が多いことだ。インターネットへの接続も、マイクロフォン入力も、オーディオの再生も、すべてそうだ。
そこで1sheeldは、スマートフォンをArduino用の多機能シールドとして使えるようにしてくれる。それはエジプトのカイロの社員8名のスタートアップIntegreightの、初めての製品だ*。〔*: シールドの正しい綴りはshield。〕
Integreightは今夜(米国時間10/28)Disrupt Europeで、会場賞に選ばれた。 同社はメイン会場の外に展示をした20数社の中から選ばれて、メインの選考会であるDisrupt Battlefieldに出られることになった。
スマートフォンにはいろんなセンサがあり、その多くはArduino用のシールドに使われているのと同じようなタイプだ。スマートフォンにはBluetoothがあり、WiFiがあり、ジャイロがあり、加速度計があり、またタッチスクリーンでキーパッドやディスプレイをエミュレートできる。だから、さまざまなシールドを本格生産する意図があっても、スマートフォンはそのプロトタイピングの過程で使えるはずだ。…という考えから、1sheeldは生まれた。
1sheeld(ワンシールド)という名前は、Arduinoボードに付けるたった一つのシールド、という意味だ。このシールドは、スマートフォンを接続することによって、ワイヤレスの中継器にもなり、データの入出力装置にもなる。スマートフォンの上でアプリを動かすことによって、スマートフォン+1sheeldがArduino用多機能シールドになる。
オーディオの再生をテストしたいが、そのためのシールドを買ったり作ったりするのは面倒、というときはArduinoからの音声出力を1sheeld経由でスマートフォンのスピーカーに送り込めばよい。インターネットを使いたいなら、スマートフォンのワイヤレス機能を利用すればよい。マイクロフォン入力も、磁力計やジャイロスコープからの入力も、要領は同じだ。数値や文字の表示も、表示管回路を自作せずにスマートフォンのLCD画面を使えばよい。
もちろん、Arduinoを核とする製品を企画している場合は、1sheeldとスマートフォンを使ったプロトタイピング段階が終われば、本物のシールドを作ることになるだろう。
また、スマートフォンではエミュレートできないシールドもある。たとえば、ラジコンカーなど用のモーターシールドもそうだ。しかし1sheeldは、今後の拡張にはコミュニティからの要望を取り入れていく、と言っている。また良質なArduinoシールドがどれもそうであるように、1sheeldもスタッカブルだから、ほかのシールドとの組み合わせが可能だ。
Integreightは、次の製品として”Smart Breadbroad”というものを企画している。これは、自作のコンポーネントをクラウド上でエミュレートしてくれるサービスだ。ブレッドボードの回路図をSmart Breadbroadにアップロードすると、その構成を自動的にやってくれる。
Integreightは11月に、1sheeldをKickstarterでローンチするつもりだ。その場合の1sheeldの出資者向け価格は20ドル、一般市販の時点では40ドルになる。40ドルでも安い、とぼくは思う。同製品の今後の動向を追いたい人は、ここでユーザ登録を。
〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。〕
審査員Q&A:
値段はいくらになるの?
Kickstarterで20ドル、そのあとは40ドルです。
Arduinoとはどんな関係?
コミュニケーションはしているけど、契約などはない。オープンソースの世界では、そんなものは要らないから。
Raspberry Piでも使えるの?
アダプタを使えば、できます。
[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))