著作権管理ブロックチェーンのBindedが、朝日新聞などから95万ドルを資金調達

Bindedは、ブロックチェーンを使う公開データベース上に著作権の恒久的な記録を作ることによって、写真家が自分の知財を容易に保護できるようにする。

それまでBlockaiという名前だった同社は、今日からBindedになる。テクノロジーっぽい名前から、ユーザーが得る利益、すなわち法的拘束力(binding)のある記録を作ること、を前面に打ち出した名前に変えたのだ。これなら、ビットコインやブロックチェーンを知らない人たちにもアピールするだろう。

ついでに同社は今日、新たな95万ドルの資金調達を発表した。その投資家は、Mistletoe, Asahi Shimbun, Vectr Ventures, M&Y Growth Partners, Tokyo Founders Fund, そしてSocial Startだ。Mistletoeを率いるTaizo Sonはゲーム企業GungHoの創業者で、SoftBankのMasayoshi Sonの弟、Asahi Shimbunは日本の新聞「朝日新聞」だ。これでBindedの資金総額は150万ドルになる。

BindedのCEO Nathan Landsは、日本の投資家が顔を揃えたことで、同社が著作権管理のグローバルスタンダードになる道が拓(ひら)けた、と示唆している。

なぜそんなスタンダードが必要なのか? さよう、たとえばアメリカの場合なら、作品は作られたときから著作権を有するが、それが法的効力を持つためには特許庁に権利を登録しなければならない。Landsが主張するBindedのメリットは、それが権利発生と法的有効化との中間に位置する点だ。登録に比べると時間もお金もかからないが、それでも第三者による記録として法的価値を持ちうる。

“著作権というものを簡易化し大衆化したいんだ”、と彼は述べる。

その主張に即してLandsは、Bindedのコアプロダクトを“つねに無料”、としている。そして今後加えていくさまざまなサービス…登録代行など…を有料化して、収益源にするつもりだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ブロックチェーンを利用してアーチストが自分の知的財産権を保護するサービスBlockai

blockai-homepage

ブロックチェーンをめぐる議論は、デジタル通貨などお金のことが中心だったが、Blockaiは視点が違う。同社は、写真家などのアーチスト〜クリエイターたちのための、著作権を侵される心配の少ない作品登録サービスとして、ブロックチェーンの利用を考えている。

CEOのNathan Landsはそのサービスを、作品を国会図書館に登録することと、何もしないこととの中間だ、と表現する。厳密にいうと、作品には、それが作られたときから著作権が存在するが、誰かを著作権侵犯で訴えるためには登録が必要なのだ。

しかしLandsによると、サンフランシスコのベイエリア周辺のアーチストたちにインタビューした結果では、自分の作品を国会図書館に登録している人はわずかに10%だった。でも、そのほかの人たちも、登録が必要と感じている。そこでBlockaiの目的は、時間と費用を投じて公式に登録しなくても、一般公開されているデータベース、すなわちブロックチェーンに、自分の作品であるという証拠を作っておこう、というものだ。

Blockaiでは、自分の作品をドラッグ&ドロップするだけで登録ができ、登録証明書をもらえる。そして、誰かがその写真などを作者の許可無く使おうとしたら、そいつに証明書のコピーを送る。

Blockai Certificate

それは、法的にも有効なのだろうか? Landsによると、まだ実際に訴訟が起きたことはないが、Blockaiを使ってブロックチェーンの上に作られた記録は、法廷で十分な証拠になると信ずる、ということだ。そして彼の期待としては、証明書を送ることはInsagramの写真を送ることとは違うから、訴訟に持ち込まなくても効果はある(だろう)。

“創造の証拠を提供する方法としてブロックチェーンは完璧なソリューションだ”、とLandsは語る。“それは恒久的で不変な記録だ。一度記録がそこにできたら、それは永久に存在するし絶対に変えられない”。

有効性について尋ねると、Landsはdigital rights management(デジタル権利管理)の話を持ちだした。それはメディアの共有のされ方を規制する、往々にして面倒な、ときには役立たずのシステムだ。どうやら彼はゲーム業界にいた経験から、厳格なDRMは適正なソリューションではない、しかも画像などでは適用不可能、と確信したのだ。

“未来の理想的なシステムは、普遍的なデータベースがあって、そこで作品の権利を主張でき、 ロイヤルティー支払いのベースにもなる、という方式だ”、とLandsは述べる。“人びとが正しく使えるためには、できるかぎりシンプルなシステムであるべきだ”。

BlockaiでLandsは、その理想の方向へ進もうとしている。同社は、Scott and Cyan Banister(とそのAngelListの仲間たち), Social Starts, Sterling VC, Vectr Ventures, Brian Cartmell, そしてRamen Undergroundらから、54万7,000ドルの資金を調達した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))