ここ数カ月、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)が話題になっている。ニューヨークを拠点とするUiPath(ユーアイパス)は、2021年2月に350億ドル(約3兆8000億円)という驚異的な評価額を得た後、新規株式公開(IPO)に向けて動き出した。そして中国では、同国産のRPAスタートアップLaiye(ライヤ、来也)が話題になっている。
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キーボード操作やマウスクリックなどの、職場のありふれた作業を模倣するソフトウェアを開発しているLaiyeが、シリーズC+ラウンドで5000万ドル(約54億円)を調達したことを発表した。今回の資金調達は、北京を拠点とする同社が、シリーズCラウンドの第1回目の資金調達を行ってから約1年後に行われた。
Baidu(バイドゥ、百度)の元従業員たちが率いる設立6年目のLaiyeは、公開情報によれば、これまでに1億3000万ドル(約140億4000万円)以上を調達している。
今回のシリーズC+ラウンドを主導したのは、中国の金融コングロマリットであるPing An(ピン・アン、平安)のアーリーステージ戦略投資ビークルであるPing An Global Voyager Fundと、政府支援のファンドであるShanghai Artificial Intelligence Industry Equity Investment Fundだ。その他、Lightspeed China Partners、Lightspeed Venture Partners、Sequoia China、Wu Capitalが投資に参加している。
RPAツールは、オフィスでの共同作業に支障を及ぼしてきた新型コロナウイルス(COVID-19)の中で、ワークフローを自動化する方法を探している企業を魅了していいる。とはいえ、この企業向け技術であるRPAは、パンデミックの前からすでに注目を集めていた。私の同僚であるRon Miller(ロン・ミラー)記者は、2021年4月、UiPathがS1(IPO目論見書)を申請した直後に次のように書いている。
「このカテゴリーは、その時点ではレガシーな文脈での自動化を扱うことで人気を集めていた。それは、既存技術に深く絡みつかれている企業、すなわち実質的にはクラウド化されていないすべての企業が、古いプラットフォームを大手術したり置き換えたりしなくても自動化することができるというものだ(高価でリスクの高い大工事は普通のCEOならやりたがららないものだ)」。
たとえば一例として、かつて蘭州市の社会保障担当者は、年金受給者の情報を入力し、その内容が正しいかどうかを手作業で確認していたが、LaiyeのRPAソフトウェアを使用することで、口座照合作業時間を75%短縮することができた。
また、中国南部のいくつかの都市では、国勢調査の自動化にLaiyeのチャットボットが活躍し、国勢調査員が一軒一軒家を訪問する必要がなくなった。
Laiyeによれば、2020年の第4四半期に、同社のRPAエンタープライズ事業がプラスのキャッシュフローを達成し、チャットボット事業が黒字化したという。その無料版は40万人以上の開発者が使っているが、同時にLaiyeはフリーランス開発者と自動化を必要とする小規模な企業をつなぐボットマーケットプレイスも運営している。
Laiyeはグローバルにサービスを展開しており、現在はアジア、米国、ヨーロッパに展開できているという。
Laiyeの会長でCEOであるWang Guanchun(ワン・グアンチュン)氏は「Laiyeは、今後3年間で、世界最大のソフトウェアロボットの開発者コミュニティを育成し、世界最大のボットマーケットプレイスを構築することを目指しています。そして2025年までには少なくとも100万人のソフトウェアロボット開発者を認定する予定です」と語る。
「より多くの人間の労働者がRPAやAIの知識でアップスキルできるようになれば、デジタル・ワークフォースとインテリジェント・オートメーションがすべての職業に浸透すると信じています」。
カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Laiye、RPA、中国、資金調達
画像クレジット: Laiye(CEOのワン・グアンチュン氏)
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(文:Rita Liao、翻訳:sako)