AI活用し従業員体験の向上を目指す「LEAD」がAlchemistを卒業、日本展開を本格化

LEADのCo-founder木村祐美氏

AI技術を活用したエンプロイーエンゲージメントプラットフォームを提供するスタートアップの「LEAD」は米時間9月20日にB2B領域に特化したアクセラレーターAlchemist Acceleratorを卒業。LEADのCo-founder、木村祐美氏はソフトウェアテストの自動化AIサービスAutifyの近澤良氏に続き、日本人起業家としては2人目のAlchemist卒業生となった。

LEADのミッションは「社員に心理的な安心感を与える企業文化作りの手助け」。同プラットフォームは従業員を興味や職歴などの情報をベースにマッチングし、コーヒーやランチ、ないしはオンラインなどで定期的に「会って話すきっかけ」を作るプラットフォーム。また「内定者を社員に」「新人を先輩やメンターに」紹介する際にも活用できる。Slack、Google Suiteなどと連携させ、使用する。

LEADが目指すのは、従業員同士の交流を活性化することで、孤独感をなくし、従業員体験を向上させること。木村氏によると、職場での孤独は離職に繋がりやすい。そして、ミレ二アル世代の多くはメンターや相談相手を必要としているという。

LEADではマッチング以外にも従業員満足度などを分析する機能も兼ね備えている。木村氏いわく、エンプロイーエンゲージメントの計測で実施される従来の従業員アンケートは手入力であるなどゆえにバイアスが掛かりやすかった。LEADでは行動傾向をデータ化し、手動入力データと合わせて従業員満足度などを分析する。パーソナライズされたパルスサーベイでは、人事担当者による「従業員の幸福度と全体的な従業員体験を向上」に向けたプランニングをサポートする。また、マッチングのアルゴリズムも従業員満足度の分析内容も、従業員のニーズや行動パターンに応じて変化する。

木村氏は「Beauty Plus」を開発したMeituの日本法人代表を務めていた人物だ。Meitu日本代表を務めていた際には、従業員体験向上の重要性を痛感した。「社員同士の信頼関係や友情、メンターシップ」が固かったからこそ、個々のモチベーションが上がりハードなKPIを達成することができたと木村氏は言う。また、日米で働く数千人をインタビューした結果、まだ市場に、特に日本においてはLEADのようなプロダクトが無く、強いニーズを感じ、既存課題の解決のため、プラットフォームを開発するに至った。

競合には、エンゲージメント分析のCulture AmpLattice、社員のオンボーディング支援のdonut、社内のメンターとマッチングするプラットフォームのMentorCloudMentorloop、社外メンターとのマッチングを実現するPLATOEverwiseが存在する。だが、木村氏いわく、マッチングからAIによる分析まで広く対応できるプラットフォームだという点がLEADの強みだ。

LEADはiSGSインベストメントワークス、BRDのCEOのAdam Traidman氏、Oculus共同創業者のMichael Antonov氏、Alchemist Acceleratorなどからの出資を受けている。現在は日本語版のボットが提供されているが、同社は日本を今後注力していくべき市場だと捉えている。