休日も、仕事のことが気になったり、お金の問題があったり、季節的な情動障害があったりすると楽しくない。そんなときはMerle Haggardの“If We Make It Through December”を何度も何度も聴くことにしているが、でも今年は、ヴィジュアルな日記アプリLifeCrumbsを日課にしようかと思っている。Tomofunというスタートアップが作ったLifeCrumbsは、どんなに憂鬱な日でも、必ず一つぐらいは、救いになるような一瞬があったはずだ、というアイデアを実装している。無料のiOSアプリだが、もうすぐAndroidバージョンも出るから、多くの人が、そんな瞬間の写真を一日に貼り付けたヴィジュアルなカレンダーを作れるようになる。
台北でVictor Changが作ったTomofunのミッションは、“ふつうの日常の中に楽しさを見つける”ことだ。LifeCrumbsは実は同社の二つめのプロダクトで、最初のはあまり良いフィードバックが得られなかったのでプロトタイプだけで終わってしまった。
がっかりしたTomofunのチームは、2012年の夏をフィリピンですごし、住宅建設現場でボランティアとして労働した。
“台風で父親を亡くした5歳の女の子に会った。その子にクッキーを一枚あげたら、それを持って走って家族のところへ行き、六つに割って全員で食べていた。ぼくのところへ走ってきたのでまたクッキーをあげたら、今度は半分に割って、笑顔でありがとうと言った”、とChangは話す。“それが、ぼくの人生観を変えた。物がたくさんなくても、人間は幸せになれるんだ。それはすばらしい教訓だと思ったから、ほかの人たちと共有したいと思った”。
台湾に帰ったTomofunは、そのとき得た鮮やかなインスピレーションをもとに、人びとが毎日の意義深い瞬間を記録できる日記アプリの開発に取り組んだ。LifeCrumbsは2012年の10月に非公開ベータでローンチし、今年の8月に一般公開した。そしてそれ以降もチームは、ユーザからのフィードバックを積極的に集めて改良に励み、なお一層ヴィジュアルな製品に育てていった。LifeCrumbsはFacebookとTwitterとInstagramを統合しているので、それらのアップデートから何かをインポートすることもできる。Tomofunは現在、自己資本のみで、LifeCrumbsについては収益化の方法を模索している。ステッカー、カレンダーを印刷して提供、などのアイデアがある。
忙しい人のための、日記を楽しく簡単につけるための優れたアプリはたくさんある。とりわけ目立つのは、Step Journal (私が5月に記事にした)、Day One、Momento、Gratitude365などだ。 でもLifeCrumbsは、このアプリの中にポジティブで明るいコミュニティを作ることで、差別化を図りたいと考えている。
どんなにひどい日でも、ありがたいな、と感謝の気持ちをおぼえるような瞬間を見つけ、それをもとにコミュニティにも参加していくことには、かったるい、とか、そんなのぜったいできない、という感想をお持ちの方もおられると思う。でも、そんな習慣には、大きなごほうびが返ってくるのだ。カリフォルニア大学Davis校の研究によると、感謝日誌をつける習慣*は健康的な生活と安眠に導き、心と体の活性を増す、という。〔*: 感謝日誌, gratitude journal 〕
しかもLifeCrumbsなら、自分の中のPollyannaを引っ張り出すことに励んでも、FacebookやInstagramみたいに、ひとからひやかされたり、ばかにされたりする心配がないのよね。
LifeCrumbsのコミュニティマネージャでTomofunのソーシャルマーケティングディレクターでもあるMaggie Cheungによると、一日一日の思い出をカレンダー形式にまとめられることが、とくにユーザに受けている、という。
〔訳注: crumbは‘かけら’。bread crumbはパンくず。一日の中の、ほんのかけらのようなできごとや瞬間をだいじにしよう、という製品コンセプト。〕
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))