DHLが2022年までにLocus Roboticsのユニットを2000台配備する計画を発表

米国時間6月2日、DHLはマサチューセッツを拠点とするLocus Roboticsとの間ですでに進行しているパートナーシップを今後拡大すると発表した。2020年にDHLはLocusのロボットを1000台配備する計画を発表していた。この台数が2022年までに2000台と、2倍の計画になった。これによりDHLはLocusにとって他社に大差をつけて最大の顧客となる。

両社は2021年から共同でロボティクスの試験運用をしているが、コロナ禍でオートメーションに対する関心は大幅に高まった。その理由はたくさんあるが、中でもロボットは休業中も稼働し、世界的に感染が拡大していても感染を媒介する恐れが低いことが挙げられる。

DHLのグローバルサプライチェーンCOO / CIOであるMarkus Voss(マルクス・フォス)氏は、以下のように数字を示している。

これまでに500台以上のピッキング支援ロボットが米国、ヨーロッパ、英国のDHLの倉庫ですでに実際に使用されています。2021年末までにさらに500台のロボットを20カ所以上の拠点に追加する予定です。最新の倉庫業務において、共同開発しているピッキング技術の有効性と信頼性は明らかに実証されました。2022年にさらに配備する予定のロボットについても、導入拠点は具体的な実装ロードマップですでに決まっています。DHLの倉庫におけるピッキング支援ロボットの全般的な可能性はさらに大きく、我々はLocus Roboticsとともに設定した目標を達成できると確信しています。

LocusはDHLの複数のロボティクスパートナーの1社だ。DHLは2018年後半にこの分野に3億ドル(約329億円)を投資する計画を発表し、2020年時点では全米の倉庫に20万台以上のロボットを配備したと述べた。これはライバルであるAmazonのロボティクスの取り組みに匹敵する数字だ。

Locusはこの計画に加え、現金の調達でも問題はなかったようだ。2021年2月に同社は10億ドル(約1097億円)のバリュエーションで1億5000万ドル(約164億5000万円)のシリーズEを発表した。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:DHLLocus Robotics物流倉庫資金調達

画像クレジット:Locus Robotics

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(文:Brian Heater、翻訳:Kaori Koyama)

フレキシブルな倉庫自動化ソリューションのLocus Roboticsが欧州、アジア進出に向け約159億円調達

マサチューセッツ拠点のLocus Robotics(ローカス・ロボティクス)は米国時間2月17日、1億5000万ドル(約159億円)のシリーズEを発表した。Tiger Global ManagementとBondがリードした本ラウンドによってLocus Roboticsの累計調達額は2億5000万ドル(約265億円)、バリュエーションは10億ドル(約1059億円)となった。Locusは競合他社(Berkshire Greyなど)よりもフレキシブルな、倉庫自動化のためのモジュラー式ソリューションを提供することで知られている。Locusは主にロジスティック自動化のためのロボティック車両リースしている。

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「当社は飛行機が飛んでいる間に翼を交換できます」とCEOのRick Faulk(リック・フォーク)氏は話す。基本的には他社にはそんなことはできない。企業はフレキシブルな自動化を欲している。もしあなたがサードパーティのロジスティック企業経営者なら、2年、3年あるいは4年の契約を結んでいる場合、最も避けたいのは大がかりなソリューションを購入するために2500万〜5000万ドル(約26〜52億円)を投資、設置し、その前払い費用で首が回らなくなることだ。

Locusは現在80カ所の施設にロボット4000基を展開している。そのおおよそ80%が米国内で、残り20%が欧州だ。今回調達した巨額資金の一部は海外での展開に充てられる。ここには欧州でのさらなる拡大、そして同社がほとんど手をつけていないAPAC(アジア太平洋)地域への進出が含まれる。

LocusはまたR&D、営業、マーケティングにも投資し、従業員数も来年には現在の165人から75人増やす。

パンデミックは明らかに、現在「自動化」に向けられている関心の原動力であり、多くの企業がロボティクス活用を模索している。

「間違いなく新型コロナウイルスはオンライン注文の成長を後押しし、おそらくこれは4〜5年分の飛躍となります」とフォーク氏は話す。「eコマースのトレンドに目をやると、堅調な増加傾向が見られます。2020年は11%の成長でしたが、新型コロナのため16〜17%に押し上げられました。この傾向はしばらくこのまま続くでしょう」。

今回の資金調達はまた、Kiva SystemsがAmazon Roboticsに取り込まれたような、大手による買収をLocusが望んでいないことを示している。

「当社は買収されることに興味はありません」とフォーク氏は話す。「当社は独立して操業することで最大の価値を生み出すことができると確信しています。Amazonと競合するとされていない企業をサポートするために投資したいという投資家はいます」。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:Locus Robotics資金調達倉庫物流

画像クレジット:Locus Robotics

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi