Digi-Key、スマート農業などにフォーカスし即座にIoT展開ができる「プライベートLoRaWAN-in-a-Boxソリューション」

Digi-Key、スマート農業などにフォーカスし即座にIoT展開ができる「プライベートLoRaWAN-in-a-Boxソリューション」発表

電子部品ディストリビューター大手Digi-Key(ディジキー)は、おもにスマート農業、高精度農業プロジェクトにフォーカスした、即座にプライベートなIoTの展開ができるハードウェアとソフトウェアのセット「プライベートLoRaWAN-in-a-Boxソリューション」を発表した。Digi-Keyは、業界初となるこの製品の独占ディストリビューターとなる。

これは、オープン技術とアジャイル製造を提供するハードウェア開発企業Seeed Studio(シードステューディオ)による製品。買ってすぐに使えるLoReWAN(低電力広域ネットワーク)IoTセンサーおよびゲートウェイからなるハードウェアと、IoTデータ管理ソリューションを展開するソフトウェア開発企業Machinechat(マシンチャット)のソフトウェア「JEDI Pro Seeed Studio Edition」を統合したもの。「迅速なIoT展開と、ユーザーによるデバイスデータの完全管理を可能にする強化したセキュリティー機能を実現」するという。これにより開発期間が短縮され、技術的な複雑さとコストが低減される。

主な用途として、次のようなものが挙げられている。

  • データのロギングとモニタリングを必要とする社内または商用のIoTプロジェクト
  • スマート農業、温室モニタリング、造園、灌漑、および精密農業のユースケースシナリオ
  • 火災検知、冷蔵監視、畜産などの環境関連アプリケーション

「Seeed Studio SenseCAP LoRaWANソリューション」の特徴は以下のとおり。

  • LoRaWANプロトコルクラスAに対応
  • 超長距離のデータ伝送:見通しの良い場所で最大10km
  • 複数のISMバンドに対応:EU868、US915、AU915、AS923
  • イーサネットバックホールに対応。オプションでセルラーバックホールにも対応
  • 産業グレードの保護:エンクロージャーによる保護等級IP66。野外での利用可。-40°C~+70°C(SenseCAPセンサーは最大+85°C)で動作可能
  • 高い信頼性と安定性
  • センサーバッテリー寿命は3年以上

「Machinechat JEDI Pro Seeed Studio Edition」は、以下の特徴を備える製品としている。

  • 統合されたSeeed Studioデータ収集装置を使用し、Seeed StudioのSenseCAP LoRaセンサーからデータをインジェスト(Chirpstackのインストールが必要)
  • 統合されたHTTP APIサーバー、TCPセンサー、MQTTブローカーを使用し、ほぼあらゆるデバイスやセンサーからのデータを収集(インジェスト)
  • 折れ線グラフ、面グラフ、タイルグラフ、レーダーチャート、データグリッドチャートにより、リアルタイムや過去のデータを視覚化するダッシュボードを構成
  • 統合されたルールエンジンを使用してデータを監視し、電子メール通知やSMSを作動させるか、外部スクリプトを実行(電子メール通知にはSMTPサーバーが必要。SMSにはTwilioアカウントが必要)
  • デバイスやマシンがオンラインかどうかを監視
  • データ収集装置とアクションプラグインを通じ、ユーザーのカスタムビジネスロジックをIoTデータに適用
  • 仮想データセンサーにより、デベロッパーやインテグレーターはプロジェクト展開シナリオのシミュレーションが可能
  • ローコード:コーディングではなく設定にフォーカス
  • 統合データベースと管理されたローカルデータストレージにより、サービスとして実行するシングルアプリケーションバイナリー
  • SSLサポートとロールベースのユーザー管理による、ブラウザベースのユーザーインターフェース
  • 最大200デバイス・センサーをサポート
  • Windows、macOS、Linux、Raspberry Pi、BeagleBoneプラットフォームに対応

システムの中心となるゲートウェイ「SENSECAP LORAWAN GATEWAY」の価格は4万8674円(税抜)。その他、センサー類は1万2077円(税抜)よりとなっている。

センスウェイがLoRaWAN対応暑さ指数センサーで熱中症リスクを見える化する工事現場・工場施設向け対策提供

センスウェイがLoRaWAN対応暑さ指数センサーで熱中症リスクを見える化する工事現場・工場施設向け対策提供

低消費電力広域通信規格LoRaWAN(ローラワン)を利用したIoTプラットフォームを提供するセンスウェイは5月31日、熱中症対策ソリューションの提供を開始すると発表した。

このシステムは、同社のLoRaWAN技術と、熱中症予防の指標となる暑さ指数「WBGT」(ISO 7243およびJIS Z 8504。湿球黒球温度。Wet Bulb Globe Temperature)を計測するフジクラ製「黒球付きセンサーノード」とを組み合わせたもの。センサーノード、ネットワークサービス、クラウドを活用して、WBGTの計測と可視化を行い、必要な場合に警告を発するシステムを「ワンストップで提供」するという。

フジクラ製エネルギーハーベスト(EH)型LoRaWAN屋内・屋外センサーノード

フジクラ製エネルギーハーベスト(EH)型LoRaWAN屋内・屋外センサーノード

このソリューションは、センサーノードから送られてきたデータをクラウド上でグラフ化し、WBGTが閾値を超えた場合に、携帯端末などへ音声やメールでアラートを発信するアプリケーションを提供するというもの。表示画面やWBGTの閾値はカスタマイズが可能。

同社は、このシステムの特徴を次のように説明している。

  • 輻射熱を測定する黒球温度センサと一体化しているため、設置時の煩雑さが低減される
  • JIS B 7922クラス2準拠のWBGT測定を実現。使用現場の環境を反映したWBGTデータが取得可能
  • 計測データ送信のネットワークにはLoRaWANを採用しており、低消費電力でデータ伝送が可能
  • センサノードに搭載されている色素増感太陽光電池(DSSC)によってデータの計測から送受信まで自立稼働するため、設置時の電源工事が不要。電池交換などのメンテナンスを最小限に抑えることが可能
  • LoRaWANのネットワークは広範囲の無線通信を可能にするため、上記の電源工事不要に加えて通信配線工事も不要。低価格でレンタル可能なゲートウェイを1台設置するだけで広大なセンサーネットワークを形成でき、簡単かつ低コストでの導入が可能

すでにセンスウェイでは、ファーストユーザーである鹿島道路との共同プロジェクトの一環として、現場のニーズに合わせたシステム開発を進めている。また鹿島道路に使ってもらうことで実証実験を行いつつ、バイタルセンサーと組み合わせた現場作業員の体調管理といった応用も検討してゆくという。

今後は、建設現場や工場施設内向けソリューションとしての展開を目指す。

関連記事
午睡見守りシステムの「ベビモニ」と保育ICT「コドモン」が連携し保育士に心のゆとりを提供
在宅・被災地などの医療現場でリアルタイム検査が可能な免疫センサー機器を開発するイムノセンスが1.3億円調達
牛の個体管理や橋梁センサーにも―、ソラコムが低消費電力IoTに新技術を採用

カテゴリー:ヘルステック
タグ:IoT(用語)暑さ指数 / WBGT(用語)センスウェイ(企業)LoRaWAN(用語)日本(国・地域)