IEEEは2013年の面白い研究のビデオを発掘して公開した。Roombaに取り付けたふわふわした犬の尻尾は面白いだけではなかった。インターフェイスとして役立つというのだ。
この研究はAshish SinghとJames Youngによるもので、ロボット掃除機のRoombaに尻尾を装着すると内部状態を知らせるためのコミュニケーションに非常に役立つとしている。たとえばすばやく尻尾を振っている状態は「万事OK」だが、ゆっくり左右に動かしているなら「問題あり」という具合だ。
「工場で運搬に従事しているロボットから家庭内で利用されるロボット、PackBotのような汎用ロボットまであらゆるロボットがこのテクノロジーでメリットを得る」とYoungは語っている。
ロボットに尻尾を取り付けるのはどんな場合に適当だろう? ロボットの内部状態を知らせるという目的であれば、ディスプレイやスピーカーを追加するより尻尾を追加したほうがはるかに安上がりだ。もちろんこれは将来ロボットがあらゆる場所に存在するようになりわずかなコスト削減も全体としてきわめて大きな影響をもたらすという前提にもとづいている。
しかしそうした実用性とは別に、おもちゃ市場をみれば、ごく単純な鳴き声や笑い声を挙げるだけで愛着が大きく高まることはファービーや恐竜ロボットのプレオ、最近ではハッチマル〔生まれてう~も〕の例でも明らかだ。
この研究を行ったマニトバ大学のチームは、ロボットが人間に情報を知らせるために「視覚的手段」を備えることが重要だと指摘している。これにより人間は「手遅れになる前に」ロボットの内部状態を把握できる。このチームはまた人間のロボットに対する共感(empathy)についても研究しており、人間がロボットに対する共感を動画と現実で比較した。その結果、人間は動画に現れるロボットに対するよりも現実のロボットに対して強い感情移入をする傾向があることが判明したという。
〔日本版〕IEEE Spectrumのページは、「Roombaがロボット掃除機だということは分かっているが、観察していると、ときおり掃除機としては不可解な行動する。Roombaについてはさほど大きな問題ではないだろうが、ロボティクス一般として考えると(重要だ」とロボットと人間のコミュニケーションを改善する必要性を述べている。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)