療養施設やクリニック、メンタルヘルス施設のようなヘルスケア施設への人材派遣を改善しようとしている、フランスの新しいスタートアップMediflash(メディフラッシュ)を紹介しよう。同社は自らを従来の人材派遣エージェントに代わるものと位置付けている。派遣スタッフ、施設両方にとってより良い契約を提供するとうたう。
「介護スタッフへの支払いは少ない一方で、ヘルスケア施設側にはかなり費用がかかります」と共同創業者のLéopold Treppoz(レオポルド・トレポズ)氏は筆者に語った。
従来の人材派遣エージェントは給料を払って介護スタッフや看護師を雇っている。施設が十分なスタッフを確保できないときは人材派遣エージェントに派遣を依頼する。そしてエージェントはスタッフを派遣し、施設に課金する。
「我々がMediflashを立ち上げたとき、人材派遣エージェント業をしようと考えていました。しかしよりデジタル化され、テックを使った手法でです」とトレポズ氏は話した。だがMediflashは従来の人材派遣エージェントと同じ問題に直面するだろうということに気づいた。
そして同社はデベロッパーやプロジェクトマネジャー、マーケティング専門家などのためのフリーランス専用マーケットプレイスに取り組んでいるスタートアップに目を向けた。フランスではそうしたスタートアップの数社は極めて成功している。Comet、Malt、StaffMe、Brigad などだ。一部の企業はヘルス分野のプロに特化したサービスも展開している。しかしMediflashは特に介護スタッフに注力したいと考えている。
Mediflashに登録する介護専門職の人はフリーランサーだ。Mediflashはヘルスケア施設とそうしたフリーランサーをつなげるマーケットプレイスとして機能する。マーケットプレイスを通じて派遣される介護スタッフはより多くの収入(最大20%増)を見込め、その一方で施設側は人件費を抑えられる、とMediflashは話す。
もちろん、人材派遣会社は介護スタッフを雇っているため、これは公正な比較ではない。フリーランサーはフルタイムで働く従業員と同じ福利厚生、特に失業手当を受けられない。
「しかし介護専門職の多くの人は、需要が多いためこれは問題ではない、と言います」とトレポズ氏は話した。プラットフォームには、小遣いを稼ぎたい看護師養成学校に通っている生徒、すでにパートの仕事を持っていて追加の仕事を探している人、フルタイム職の代替人員となりたい人などがいる。
通常、ヘルスケア施設は人材不足を解消するために3日間だけ人手を欲しがる。Mediflashはヘルスケア施設が1つの人材派遣エージェントを利用することをよく知っている。だからこそ、同社はそれぞれの施設と1対1で話すセールスチームを抱えていえる。目下、MediflashはMetz、Nancy、Strasbourgに注力している。
Mediflashはつい最近、Firstminute Capitalがリードするラウンドで200万ドル(約2億2000万円)を調達した。MaltのAlexandre Fretti(アレクサンドル・フレッティ)氏、NablaのAlexandre Lebrun(アレクサンドル・レブルン)氏、Batch.comのSimon Dawlat氏(シモン・ダウラ)、Twitterに買収されたAiden.aiのMarie Outtier(マリー・アウティエ)氏などのエンジェル投資家も参加した。
これまでにMediflashは派遣要請のあった1400日に対応した。Mediflashは各派遣取引で手数料を取る。同社は他の都市や国にも事業を拡大する計画だ。
カテゴリー:ネットサービス
タグ:フランス、介護、フリーランス、Mediflash
画像クレジット:Mediflash
[原文へ]
(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi)