Dockerが人材獲得を目的としてKoalityを買収…ハイブリッドクラウド技術を充実

【抄訳】

最近4000万ドルの資金を獲得したDockerが、最初の大きな買い物としてKoalityの買収を決定した。買収の価額は公表されていない。

2012年にローンチしたKoalityは、一つのビルドの複数のインスタンスを迅速にセットアップできる技術により、ソフトウェアの試験をより効率化する。つまり、プロダクションというよりテスト方面の技術だ。実は同社は昨年のTechCrunch Disrupt San Franciscoで、Peter Thielなどの名士たちの支援により180万ドルのシード資金を獲得している。したがって同社の将来性は明るいように思えたが、突然、Dockerに吸収されることになってしまった。

DockerのCEO Ben Golubは、買収の目的はKoalityの技術ではなく、同社の4名の社員と彼らがデベロッパをよく理解していることだ、と述べている。“人材獲得が主な目的だ。彼らはデベロッパに対する直観が優れているし、デベロッパのライフサイクルを熟知している。クラウドとオンプレミス両方の経験知識があるが、うちが彼らのプロダクトを統合するつもりはない。統合するのは、チームだ”、とGolubは説明している。

そしてそのチームは、特別なスキルをDockerにもたらす。Golubは曰く、“デベロッパがコードを試験、ステージング、プロダクションと移行させていくときに必要となる課題やインタフェイス、それに配布や展開をホスティングされる部分とオンプレミスの部分に分けて行うハイブリッド方式の実践的なスキル、うちが欲しかったのは、この二つのスキル集合だ”。とくにプロプライエタリなリソースの多い金融や医療分野では、このハイブリッド方式の実装が多いのだ。従来のDockerは、それらへの対応が十分でなかった。

【後略】

写真: (c) Can Stock Photo

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


DockerがPaaSプラットホームのdotCloudをcloudControlに売ってコンテナビジネスに専念

オープンソースのアプリケーションコンテナ技術Dockerの開発とメンテナンスを行っているDocker, Incが、同社のPaaSビジネスdotCloudをベルリンのcloudControlに売却したことを発表した。これによりDockerは、本業のコンテナソフトウェアに、より集中できることになる。

DockerのCEO Ben Golubは本誌TechCrunchに、これからは同社のビジネスのDockerの部分に集中したい、と語った。“これまでの18か月でDockerのユーザ数は急増した。今ではそれは、わが社が全力を上げてそれに集中しなければならないほどのレベルだ。そこでdotCloudには、もっと顧客のためになる新居を見つけてあげることになった”。

Golubによると、一定の厳しい条件を満たす買い手を探すのに苦労をした。まずそれは、すでに市場で高く評価されているPaaSベンダであること。そしてdotCloudプラットホームのメンテナンスを継続できる力量があること。つまり、dotCloudの500あまりの既存の顧客をぶんどることが、ねらいではないこと。

dotCloudのWebサイトでデベロッパサポートマネージャAndrew Rothfusが、“dotCloud PaaSプラットホームが、合衆国に進出しようとしているドイツのPaaSプロバイダcloudControl GmbHの合衆国の子会社に買収されたことを発表できることは、欣快至極である”、と述べている。

そのブログ記事はさらに、dotCloudの名前の存続と、顧客の事業の継続性(現状維持)を約束している。そしてそのために、新しい親会社とのスムーズな統合化のために、あらゆる努力を惜しまない、と。

Golubはこう付言する: “cloudControlはヨーロッパでは大手であり、合衆国進出もねらっているぐらいだから、能力は高い”。

Dockerは今とても人気の高いコンテナ技術であり、デベロッパたちの想像力をとりこにしている。本誌TechCrunchの6月の記事は、Dockerについて次のように述べている:

“Docker 1.0はGoogleが開発した新しいコンテナ技術の実装系の一つで、アプリケーションを、これまでのように変更を加えたり、開発サイクルの新しいステージに入るたびに、まったく新たな再インストールや再構成を必要とせず、安全に配布できる”。

dotCloudはもともと同社のミッションの一部ではないので、今回の売却は好機であった。またベルリンのcloudControlにとっても、意義のある買収だった。どちらもPaaSを主力とする企業であり、どちらも顧客のアプリケーションをクラウドに展開〜管理〜スケールすることが技術の中心だ。両社はいわば“似た者夫婦”であり、dotCloudはcloudControlに、既存の顧客によるインスタントな成長を与え、また合衆国市場におけるインスタントな足場も与える。

そもそも会社がDocker, Inc.に名前を変えてから以降、dotCloudには不安定感があった。そして今回の買収によりdotCloudの顧客企業はむしろ、このプラットホームのPaaSとしての長期的な存続に関して、より安心感を持てるようになった、と言える。

Golubによると、今Dockerの社員は50名で、うち4名がdotCloudを担当していた。彼らは今後もDockerの社員として、所有権の移行期90日間はdotCloudのサポートにあたり、その後はDocker本体の仕事に移行する。

Golubは買収の価額等を公表しなかったが、目的はお金ではなく、あくまでも、dotCloudの顧客たちに良き新居を見つけてあげることにあった、と言っている。“それはおもしろい取り引きだったけど、主な狙いは顧客たちに良い家を見つけてあげて、われわれが安心してDockerに専念できるようにすることだった”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))