【抄訳】
1はいちばん孤独な数。天国までは2歩。良い脚本は必ず3幕。ディスコダンスは4拍子。毎日果物と野菜を5皿以上食べなさい。
数はどこにでもあり、数なんてどこにもない。数はデータの沼の中でごちゃ混ぜになる。なんでも多ければよいという人には、それもけっこう。でも、ある数のある桁だけ知りたくなったらどうする? 数との追っかけっこが始まる。数字の中から、ものごとの本質をつかみ取るのだ。
でも、ごみの山の中から一つの数だけを見つけ出すのは、退屈な大仕事だ。そこでクラウドソースなWebサイトMeterfyが、あなたの数の悩みを解決してくれる。この、自己資金だけで始まったイギリスのスタートアップは、アイデアの芽を2012年から育て、今日(米国時間4/3)やっとサイトを立ち上げた。その目標は、おもしろい数を見つけて共有することだ。
MeterfyはGoogleにもTwitterにもEvernoteにもWikipediaにも似ているが、扱うのは数だけだ、と協同ファウンダのPeter Walshamは言う。彼は物理学者で、履歴書を書けば‘CERNでLHCを担当した’という輝かしい1行がそこにあるだろう。
“Meterfyでは誰もが数に関する自分の好きな事実を寄与貢献できるし、ありとあらゆる種類の、数え切れないほど大量の、数をめぐる小話を見つけることができる”、とWalshamは言う。
もう一人の協同ファウンダDaniel Emmersonは大学時代の旧友で、長年、Walshamのビジネスパートナーだった。最初に二人が作ったデジタル資産管理サービスAxomic.comは、12年経った今も彼らの下(もと)で健在だ。でもそれは彼らの本業。Meterfyは、彼らの数に対する情熱の産物だ。
MeterfyのWebサイトへ行ったユーザは、関心のあるトピックで検索をして、そのトピックに関連する一連の数を手に入れる。それらの‘数情報’はすべてクラウドソースだ。
たとえば、こんなものが見つかる:
[2014年の中国の人口][ロンドンのSouthwark橋の街灯の数][1バイトのビット数]
数のデータは、Wikipediaでも分かるんじゃないの? ただし、大量のテキストをかき分けて、目的の数を探さなければならない。それが、Wikipediaというバロック建築の美だ。細部の過剰。1000の細部ではなく、たった1つの細部が欲しいときはどうするか? たった一つの、事実だけを知りたい。数だけ知りたいときには、Meterfyへ行こう。いろんな、おもしろい数を閲覧して楽しみたいときも。
Walshamは曰く、“数を見つけるのが、ものすごく難しいときがある。しかしそれは、あってはならないことだ。Googleでは毎日60億件以上の検索が行われているが、その目的の一部は、数を知りたいことだ。大量の古い退屈なリンクをたぐって、60秒以上もの時間を費やして、やっと一つの数を見つけたり、見つからなかったりする。今は21世紀だ。そんなばかなことは、絶対にあってはならない”。
Meterfyにあるものは数だけだ。テキストも画像もビデオもない。数、数、数、数、ビューティフルな数だけだ。
“Googleにはナレッジグラフ(Knowledge Graph)があり、Bingにはエンティティエンジン(Entity Engine)がある。これらの大きなセマンティックエンジンには、それらに向いた用途がある。しかし実際に使うとなると、独特の難解さと情報の短命性と焦点ぼけ、等々と苦闘しなければならない”、と彼は言う。
検索エンジンよりも的(まと)を絞れるQ&Aサイトはどうか?
“Ask.fmもJellyもYahoo AnswersもChaChaも、回答者に不親切な人や不適切な人が多い。質問者が、正しい回答者を見つけられない。Meterfyにあるものは数だけだ。テキストも画像もビデオもない。数、数、数、数、ビューティフルな数だけだ。数だけに絞れば、不親切や不正が入り込む余地が少ない”。
“テキストや画像やビデオには、提供者の誤りと、(受け手)理解・解釈者の誤りが往々にして激しい。でも、オバマは大統領を何期務めたか? 2という答が多いだろう。でも最後まで務めたのは1期だから、1という答もある。そこで、クラウドソースにはわれわれが介入して、2を採用する。それが、Meterfyのクラウドソーシングのやり方だ。数データの提供者には、出典の明記を求めるが、それでもなお、われわれの側のチェック作業はつねにある。”。
【中略】
—-近くAPIを公開するので、アプリケーションの中でMeterfyのデータを使えるようになる、といった話—-
では最後に、もうひとつMeterfyの例を挙げよう:
[エルヴィス・プレスリーの没年][Legoデススターのピース数][2011年のマラリアによる死者(報告数)]
[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))