日本のSDNスタートアップMidokuraがシリーズAで$17.3Mを調達;クラウド事業主体の増に備える

日本のMidokuraはオフィスがサンフランシスコと東京とローザンヌとバルセロナにある。同社は今日(米国時間4/1)、1730万ドルのシリーズA資金調達ラウンドを発表した。このラウンドの幹事会社は日本の産業革新機構、これにNTT GroupのDOCOMO Innovations, Inc.とNEC Groupの投資部門Innovative Ventures Fund Investmentが参加した。資金は陣容拡大により同社のネットワーク仮想化サービスMidoNetの将来的展開と拡張を準備することに充てられる。

Midokuraはそのサービスを、自分でクラウドを展開したいと考える企業、すなわちクラウドのユーザでなくクラウドの事業主体に提供する。それはモバイルネットワークの事業者やそのほかの大企業だ。同社は一般的によく使われているクラウドプラットホーム上で使える仮想化技術を提供し、クラウドコンピューティングの展開に伴う費用や要求を単純化する。MidoNetはIaaS(infrastructure-as-a-service)の一種であり、2012年の10月にベータで立ち上がったときから、大きな関心を集めてきた。

MidokuraのChief Strategy Officer、Ben Cherianの説明によると、“MidoNetは弊社のSDN(software-defined networking, ソフトウェアが定義するネットワーク)製品であり、クラウドを構築したいと考えている企業のためのソリューションだ。彼らはクラウドサービスのプロバイダであったり、ホスティングのプロバイダであったり、あるいは大きな企業であったりする。小さな会社でも、クラウドを構築したいと望むなら弊社の顧客でありえる。それを完全に自力でやろうとすると、スケーラビリティ、オートメーション、アイソレーションといった面倒な問題にぶつかるからだ。弊社のプロダクトであるMidoNetは、クラウドネットワーキングに伴うこれらの問題を解決する”。

今回は相当巨額な資金調達ラウンドであるが、Cherianによると、同社に今寄せられている関心を十分満たすだけのペースで成長するためには、それぐらいの額が必要である。協同ファウンダのTatsuya Katoは、今回の増資発表の一環としてCEOから取締役会の会長職となるが、以前は日本におけるAmazon Web Services的なサービスの構築に、同じく協同ファウンダで元CTO/新CEOのDan Mihai Dumitriuと共に取り組んだ。彼はその際に、サービスの設計構築以前にまず最初に解決すべき大きな問題があることに気づき、それがMidokuraの創業につながった。今チームは、その目標を達成するために迅速に成長したいと考えている。

“資金の大半は製品開発と技術者の増員に充てられる”、とCherianは述べる。“目標は、技術面でもっと深いところに到達することだ。今は、機能の増強とマネージメントの改善、ほかの技術や企業の統合、といった側面を重視している。いずれもさらなる人材が必要な課題であり、したがって資金の多くは技術陣の増員に充てられることになる”。

Midokuraは、この分野の市場が今後急速に進化していくと見ている。とくに今後はクラウドに乗り出す大企業が増えて、SDN関連製品への関心も高まるだろう。そのときの需要にタイミング良く応えるためには、今から、相当な額のシリーズAにより、技術的基盤を整備することが必要なのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))