合衆国政府のデータは、現政権はそう言わないかもしれないが、地球が温暖化していることを示しているようだ。どうやら今年の地球は、記録にあるかぎり2番目に暑い10月を経験したようであり、このまま行くと同じく記録上、今年は2番目に暑い年になるようだ。海洋大気局(National Oceanic and Atmospheric Administration、NOAA)のデータがそれを示している。
10月が暑かっただけでなく、南極の氷が1979年に観測を開始して以来最も小さく縮小した。10月の暑さは記録に残るかぎり、2003年以降で10度目の、それ以前の記録を破る暑さであり、しかもその10回の記録破りの内の5回は過去5年連続だ。
地球の気候変動につながる大気中排出物質を減らそうとする政策をトランプ政権は廃棄しようとしているが、NOAAのような政府機関は、この惑星がどれだけ変わりつつあるかを正確に示す報告書を出し続けている。
今月初めに国務長官のマイク・ポンペオ氏は、米国を気候変動に関するパリ協定から離脱させる手続きを公式に開始した。現政権の極めて重大なこの出来事を、世界はTwitterから知らされた。
ポンペオ国務長官の手続き開始報告。「今日我が国はパリ協定から離脱する公式のプロセスを開始する。合衆国は、すべての排ガスの削減と回復力の強化、経済成長、および国民のためのエネルギーの確保における、世界のリーダーとしての記録を誇りとする。我が国のやり方は現実的で実践的なモデルである。
ポンペオ長官は「すべての排ガスの削減」へのこの国のアプローチを賞賛しているが、ヨーロッパとアフリカとオセアニア、カリブ海地域、そしてハワイ諸島はかつてない記録的な温度に達し、世界の平均海面温度は記録上で2番目の高温に達した。
一方、新たな予測が、気温上昇による氷河の溶解によって起きる海面上昇で都市が直面するリスクの大きさを、従来の予測の3倍に上方修正している。
研究団体であるClimate Centralが作り、NatureとCommunicationsに載った地図は、都市の耐性が強化されるか、または気候変動の方向が今の逆にならないかぎり、海面上昇によって現在1億5000万人が住む陸地が2050年までに洪水や高潮の下になる。
連邦準備制度ですら、気候変動によるリスクに目覚めつつある。米国の金融政策を司るこの規制当局は、今月初めに、気候変動が財政に与える影響にフォーカスしたイベントを開催した。
The New York Timesの記事によると、このイベントのために前もって用意されたコメントで連邦準備制度理事会のメンバーであるLael Brainard(ラエル・ブレイナード)氏は「連邦準備制度が気候関連の研究と実践にもっと積極的に参加すれば、強力な経済と安定的な金融システムをもっと実効的に支援できるはずである」と述べている。
画像クレジット: NOAA
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)