CiscoがModcamを買収して自らのスマートカメラ製品ラインを強化

IoTの普及に歩調を合わせ、セキュリティカメラの高性能化も進んでいる。現在、こうしたデバイスには機械学習機能が備わっており、カメラの視野にあるものが何かを自動的に識別できるようになっている。例えば動物なのか、あるいは侵入者なのかなどを見分けることが可能だ。米国時間7月31日、Cisco(シスコ)はスウェーデンの新興企業であるModcam(モッドカム)を買収したこと、そしてそれを自社のMeraki(メラキ)スマートカメラポートフォリオの一部に加え、Modcamの技術を統合することを発表した。

両社は買収価格を明らかにしなかったが、Ciscoは買収が完了したと語っている。

契約を発表したブログの投稿の中で、Cisco MerakiのChris Stori(クリス・ストーリ)氏は、Modcamの獲得によってMerakiの機械学習が強化されると同時に、優れたエンジニアリング人材も手に入ることになると語る。

Modcamを買収することで、Ciscoは機械学習、コンピュータービジョン、クラウド管理カメラに対する豊富な専門知識を持つ、非常に才能のあるエンジニアのチームに投資することになるのです。Modcamはカメラを今よりもさらにスマートにするソリューションを開発したのです」と彼は書いている。

彼が語りたいのは、Merakiはすでにモーション検知機能や機械学習機能を備えたスマートカメラを持っているものの、これは現在1台のカメラだけに限定されているということだ。Modcamが提供するのは、情報を収集し複数のカメラ出力に機械学習を適用できる追加機能であり、カメラの機能を大幅に強化してくれる。

「Modcamのテクノロジーを使用することで、非常に微細なレベルの情報をつなぎ合わせることができるようになり、複数のカメラが現実世界に対するマクロレベルのビューを提供できるようになるのです」とストーリ氏は語る。例えば実際に、施設管理チームに対して利用可能なスペースのより完全なビューを提供することができる。これは企業がパンデミックの中で、安全な方法で営業を行おうとするときに特に重要なシナリオだ。Modcamが売り込んでいた別のシナリオは、製造現場で何が起こっているかをより完全に把握することだ。

Ciscoが「小さなチーム」としか説明していなかったModcamsの全従業員がCiscoに加わり、ModcamのテクノロジーはMeraki製品ライン内に組み込まれ、スタンドアロン製品としては提供されなくなると、Ciscoの広報担当者はTechCrunchに語った。

Crunchbaseのデータによると、Modcamは2013年に創業され、これまでに760万ドル(約8億円)を調達している。一方、Ciscoは2012年にMerakiを12億ドル(約1270億円)で買収していた。

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画像クレジット:Cisco

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(翻訳:sako)