正規の商業者でなくても誰もがオンラインで支払を受け取れるサービスStripeに欠点があるとすればそれは、デベロッパやそのほかの技術力のあるユーザのためのサービスであることだ。今日(米国時間4/5)ローンチした支払システムMoonClerkは、一度かぎりや今後何度もある支払をプログラマでない人が自分のWebサイトで容易に受け取れるようにするサービスだ。
これまでのStripeの使い方では、Stripe ConnectをサポートしているShopLocketやShopify、Wufooなどのプラットホームの上にユーザがeコマースのストアを作り、その上でStripeの支払サービスを利用する。
しかし小企業などはすでにある自分のサイト上で支払を受け取りたいと思うのが当然だから、MoonClerkはそれを可能にする。オンラインのフォームビルダーで構成オプションやスタイル、色などをユーザが指定すると、MoonClerkがどのWebサイトでも使えるリンクと埋め込みコードをくれる。
Dodd Caldwell(CEO)とRyan Wood(CTO)の二人が地元サウスカロライナのスタートアップアクセラレータThe Iron Yardで修行を積み、11月に非公開ベータでMoonClerkを立ち上げた。今年に入ってから公開ベータに移行し、不具合をつぶして、今日から一般公開となった。
Caldwellによると、それはまず自分自身が欲しかったサービスだ。彼はそれまで、Bellstrikeという自分の会社でNPOたちのためのソフトを作っていたが、そのとき、NPOが寄付などの支払を受け取る簡単な方法が欲しいと思った。
“小企業や非営利団体が日常の支払を受け取るサービスをいろいろ探したが、簡単で使いやすいものはなかった”、とCaldwellは説明する。“商業者アカウント、ゲートウェイ、SSLの証明、などなど面倒なもののいっさいない、ユーザ登録がすぐにすむのが欲しかった。Stripe Connectはそれができるが、デベロッパでないと導入は無理だ”。
チェックアウトの部分がすっきりしていること、そして、まるで自分のサイトの一部のように埋め込めること。それも重要な要件だ。Caldwell自身過去に、自分の作ったサイトでPayPalを利用して低いコンバージョンレート(実買率)に悩んだ経験がある。MoonClerkなら、何もかも超簡単だ。
彼自身は技術者ではないので、以前仕事を頼んだことのあるWoodをスカウトした。そうして完成したMoonClerkのシステムは、ノンプログラマがStripeを使えるだけでなくて、豊富な機能を盛り込んでいる。
MoonClerkは、一度だけの支払と、月、四半期、年などの定期的な支払をサポートする。ユーザはまず同社のオンラインフォームビルダーへ行って、チェックアウトのデザインなどを決める。できる人は、CSSも使える。金額の表示や支払方式など、細かい指定もいろいろできる。
フォームを作ったら、MoonClerkが料金を引き落とすためにクレジットカードの情報を教える。そして、Stripe Connectのために自分の銀行情報を入力する。そうするとサイト用の埋め込みコードと、共有(Facebook、Twitter、…)のためのリンクをもらえる。
入金を知らせるメールの通知機能もある。来週からはクーポンやディスカウントも扱えるようになる。Caldwellによると、そういう細かい機能増強課題は、まだまだたくさんある。たとえば顧客がチェックアウト時に追加注文ができる機能など(あと5ドルでケースもおつけしますが、いかがでしょうか?)。
サウスカロライナ州Greenvilleに居を構えるMoonClerkは、完全に自己資本のみだ。Caldwellが不動産投資から得た利益を使っている。資金調達の意向は、今のところない。口コミだけで数ダースのユーザがついたが、その中には、このサービスを利用して毎月1万ドルを処理している人もいる。
サービスの利用料金は支払の額がベースで、最低は月額1000ドルまでが9ドルだ。ユーザになってみたい人はここで登録を。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))