ベルリンのVC「MorphAIs」はアーリーステージファンドにAIアルゴリズムを活用する

MorphAIs(モーフ・エーアイズ)はベルリン発の新しいベンチャーキャピタル(VC)で、アーリーステージスタートアップへの投資判断にAIを活用することを特徴としている。ただし、1つ落とし穴がある。この会社はまだ出資したことがない。

会社を設立したEva-Valérie Gfrerer(エヴァ-ヴエレリー・グフレラー)氏は、以前フィンテックのスタートアップOptioPay(オプショペイ)でグロースマーケティングの責任者だった。行動科学と高度情報システムの経歴がある。

グフレラー氏は、MorphAIsをテック企業として立ち上げ、AIを使ってベンチャー投資を評価し、それをサービスとして販売していた。しかししばらくして、このプラットフォームを自家運用ファンドに適用できると気づき、資金集めの推進に使おうと考えた。

MorphAIは、複数の連続起業家からすでに資金提供を受けている。元Better PaymentとSumUpでFaugsterのCEOでファウンダーのMax Laemmle(マックス・レムリ)氏、元Groupon(CityDeal)とJP Moran ChaseでSumUpの共同ファウンダーであるMarc-Alexander Christ(マーク-アレクサンダーキリスト)氏、元GigasetとAOLのCEOでSmartFrogのCEOであるCharles Fraenkl(チャールズ・フレンクル)氏、およびawesome capital GroupのチェアマンファウンダーであるAndreas Winiarski(
アンドレアス・ウィニアスキー)氏などだ。

「ベンチャー資金を割り振るプロセスにはここ数十年間意味のあるイノベーションは起きていません。私たちは一連のプロセスを再発明し、業界が資金を精密に割り当て、バイエスを減らし、よりインクルーシブなスタートアップエコシステムに向かう後押しをしています」と彼女はいう。

彼女は、アーリーステージ向けVCファンドの80%以上は最低限期待されているリターンを投資家に戻していないと指摘する。それは真実だが、そもそもVC業界は多額の金銭を放り出すように作られており、その損失を全部帳消しにするような勝者を見つけることに望みをかけている。

現在、彼女はプレシード / シードファンドを計画中で、機械学習の専門家や数学者、行動科学者らからなるチームを擁して、MorphAIsのモデルは市場データに基づくリアルタイムの予測をした結果、16倍の利益率を得ているとしている。

グフレラー氏の共同ファウンダーでCTOのJan Saputra Müller(ヤン・サプトラ・ミュラー)氏は、askby.aiを含めいくつかの機械学習企業でCTOを務めた。

1つ問題がある。グフレラー氏のアプローチは独自ではない。例えば英国、ロンドン拠点のInReach Venturesはデータを用いてスタートアップを発掘することで大きな実績を挙げている。そして欧州のその他のVCも、多かれ少なかれ同じようなことをしている。

果たしてグフレラー氏は何か目覚ましい結果を出せるのか?それは今後を見据えるしかなさそうだ。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:MorphAIsドイツ

画像クレジット:MorphAIs

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(文:Mike Butcher、翻訳:Nob Takahashi / facebook