最近ローンチしてDisrupt NY 2013にも出たMowblyは、モバイルの開発プラットホーム環境に、従来とは逆のアプローチをする。
協同ファウンダのVignesh Swaminathanによると、次々といろんなアプリを垂れ流すのではなく、Mowblyはそのモバイル向けPaaSからたった一つのアプリを提供する。Mowblyはサードパーティのアプリもサポートするが、そのサードパーティアプリのAPIを呼び出してデータを処理するだけだ。ユーザ自身は、それらのアプリを使わない/動かさない。ユーザが求めているのは正しく処理されたデータであって、アプリを自分で動かすことではない。それが、Mowblyの異端哲学。
要するにMowblyは“アプリアグリゲータ”であり、データを顧客やその社員やパートナーのためにフィルタしてからアプリを通し、その結果をユーザに提示する。しかもこのサービスはクロスプラットホームであり、アプリを構築〜管理〜展開するためのモバイルサーバと、モバイルのユーザインタフェイスフレームワークから成る。複数のモバイルプラットホームにまたがって利用でき、その際、専門的なモバイル開発の技能は要らない。ユーザである顧客企業のIT部門はデベロッパを雇うことなく、ブラウザ上のツールを使ってアプリを展開する。
一つのユーザ企業が複数のIDを持てるので、たとえば財務の人には企業のリソース計画関連のデータを提供し、パートナー企業には流通経路計画に関する情報のアップデートを提供する、など多面的な活用ができる。MowblyのPaaSが提供するその単一アプリは、オンプレミスのソフトウェアまたはSaaSとして提供される。
Mowblyは新世代のモバイルプラットホームプロバイダの一つで、迅速なアプリ展開のためのバックエンドを提供する。それにより、ネイティブアプリを作るために必要な費用と時間を削減する。またこの単一アプリ方式では、大企業がITポリシーへのコンプライアンスを維持しやすい。
これはまた、モバイルアプリ開発の自動化の始まりでもある。そのトレンドを代表しているのが、Mowblyだ。問題は、プロバイダのコントロールがあまりにも大きすぎるのではないか、ということ。そして、人びとが日常使っているアプリに加えて、アプリが実際には今後どんどん増えていくのではないか、という懸念もある。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))