昨日(米国時間6/18)、TwitterはGIFアニメのサポートを開始した。しかし、Twitterが表示するアニメはまるきりGIFではなかったことが判明した。なんたるショック!
だが、パニックに陥るには及ばない。これはTwitterとしてとても巧みな手なのだ。
まずEmbedlyがTwitterフィードに表示されるGIFがGIFファイルではないことに気づいた。 それどころか画像ファイルですらない。実は音無しのビデオファイルなのだ。HTML5にビデオタグを使って埋め込まれたMP4ファイルだった。ユーザーがGIFをアップロードしてもTwitterはMP4に変換してしまう。
GIFとMP4の差などささいなことのように思われるかもしれないが、実は大きな違いが出る。圧縮だ。
GIFは1987年に登場し、1989年にアニメーションをサポートし始めたたいへん古いフォーマットだ。良い点はどんなデバイス、プラットフォームでも表示できるところだ。悪い点は…なにしろ30年も前のテクノロジーだけにあちこちにやつれが見えている。わずか数秒のGIFでもサイズは何メガバイトもあり、色はおそろしく悪い。
一方、ビデオ圧縮テクノロジーはこの30年で長足の進歩を遂げた。GIFに比べるとMP4は動きが2倍も滑らかで色は3倍もきれいだ。そしてファイルのサイズは4分の1だ。
つまりTwitterとしてはMP4フォーマットを使うことでプロバイダに支払う帯域料金が大幅に節約できるし、ユーザーにとってはロード待ちの時間が短縮される。
デメリットがないわけではない。一部のブラウザはいまだにHTML5のビデオ・タグを正しく処理できない。そこでTwitterはそういうブラザに対しては(奇妙な選択に思えるが)Flashを使っている。しかし数年後にはウェブ全体でGIFからMP4への切り替えが進むだろう。
さてそうなると気になるのは音無しでループする短いアニメを何と呼べばよいかだ。
たいていの一般ユーザーは実装技術などには興味がないので、すでに普及しており覚えやすいGIFという名前を使い続けるだろう。これを変えようとするのは山に向かって「動け!」と叫ぶのも同様の無駄な努力になりそうだ。誰も電子写真複写とはいわずにゼロックスと呼ぶし、写真を編集することはフォトショップと呼ぶ。インターネットを検索することはBingを使っていてもググると呼ぶ。数年後にはGIFも無音の短いループアニメを指す一般名詞になってるのではないか?
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)