ニック・デントンが創立したGawker.comはウェブ・メディアのパイオニアのひとつだったが、Gawker自身の発表によれば来週サービスを停止するという。Gawkerサイトの閉鎖はGawker MediaをUnivisionが買収することになったのを受けたもの。
GawkerはTerry Bollea(タレントとしてはハルク・ホーガン)による名誉毀損の訴訟に敗れて倒産に追い込まれていた。この訴訟はシリコンバレーの富豪、ピーター・ティールが支援していたことで有名だ。
Univisionによる買収はニューヨークの破産裁判所の承認を受ける必要があるが、金額としては1億3500万ドルだったという。この数字はGawkerのファウンダー、デントンが社員向けに閉鎖を説明する中でメモで明かされた。ただし過去記事の取り扱いについては「まだ最終決定をみていない」ということだ。
Gawkerは2002年にFinancial Timesの元記者、ニック・デントンと当時の編集長、Elizabeth Spiersにより創立された。スタートはニューヨークを中心とするゴシップ記事を扱うオンライン・メディアだった。その後、ゴシップ記事以外にもカバー範囲を広げ、セレブのニュースを幅広く取り上げるようになった。
2012年に当時の編集長、A.J Daulerioがハルク・ホーガンとその友人の妻ヘザー・クレムの短いセックス・テープを掲載した。ホーガンの弁護士からの度重なる取り下げ要求をGawkerは拒否した。そのため事件は法廷に持ち込まれた。ピーター・ティールはGawker.comに対する訴訟を財政面その他で支援した。ティールはこの裁判における自身の役割について今週、New York Timesの意見コラムに書いている。 TechCrunchではKate CongerとAnthony Haが別の意見を紹介した。
UnivisionによるGawker Mediaの買収オファーはGawker.comを含め、既存の7つのメディアすべてを含んでいる。 運営中のウェブサイト、Jezebel、Gizmodo、Deadspin、Lifehacker、Kotaku、io9、Jalopnikが今後どのように運営されるかについてはまだ明らかになっていない。デントンのRecordに対する声明によれば、Univisionは今後もGawkerのウェブメディアの運営を続けていく計画のようだ。〔原文にデントンの声明の引用あり〕
画像:: Steve Nesius/AP
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)