現実世界の現象をデジタルに翻訳するのは面倒な作業だ。特に物質の色を判定するのは難しかった。というのも色彩というのは物質固有の固定した性質ではない上に撮像素子、ディスプレレイによって同じ表面が異なる色で表示されてしまうからだ。カナダ拠点のスタートアップであるNixは、この問題の解決を試みている。
Nixのカラーセンサーは、Nix Pro 2 が349ドル(約3万8000円)、普及版のNix Miniが99ドル(約1万円)と手ごろだが、現在はブラックフライデーセールでさらに割り引きされており、世界各地から注文可能だ。デザイナー、イラストレーター、フォトグラファー、建築家を始め、クリエーティブのプロに必須のアクセリーだろう。
Nixカラーセンサーシリーズは単機能なので箱から出せばすぐに使える。しかしその機能は非常に優れており、エンジンフードの下には高度なテクノロジーが詰まっている。このデバイスはありとあらゆる表面の色を読み取ってデジタル情報に変えてくれる。ダイヤモンド形のプラスティックの筐体には小型のレンズとセンサーを内蔵する。Min、Proともポケットに入るサイズだ。Miniは大きめのコインくらいなのに対してProはゴルフボール大だ。
どちらもバッテリーを内蔵しており、マイクロUSBケーブルで充電できる。センセーは作動にほとんど電力を消費しないのでフル充電で3000回のスキャンが可能だ。ともかく簡単に使えるので驚く。準備はデバイスを箱から出し、Nixのサイトにアクセスしてスマートフォンにアプリをダウンロードするだけだ。スマートフォンとペアリングしたらアプリのスキャンボタンを押してNixをチェックしたい表面にかざす。
Nix Digitalアプリを使った場合、スキャンした表面のHEX値を始め、デジタル化された値がすべて表示される。ウェブサイトはもちろん、なんらかのプロダクトをデジタルでデザインをしている場合この上なく便利だ。その色にマッチする色がパレット表示される。Nix Paintsアプリの場合、ペンキのブランド名を選ぶとスキャンした色にもっとも近いペンキの品番が表示される。これは家や部屋をリフォームをしようと思っている場合非常に役立つ機能だ。その色の補色やマッチする色もパレット表示される。Nix Proアプリではさらに精密かつ詳しい情報が得られる。
Nixは布、塗装などほぼあらゆる表面をスキャン可能だ。タイルやフローリングのような反射のある表面でもよい。これまでは物質の色を測定するのは手間と時間のかかる面倒な作業だったがNixを使えばワンタッチで即座に結果が得られる。箱から出した状態でキャリブレーション済みなのでユーザーは即座に使い始めることができる。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook)