ピースオブケイクは6月6日、メディアプラットフォーム「note」で作成した記事内に企業の求人情報(求人サイトへのリンク)を埋め込める機能をリリースした。
ピースオブケイクではブランディングや採用広報など企業がビジネス用途でnoteを使う事例が増えていることを受け、今年3月に法人向けプラン「note pro」をリリース。採用領域のパッケージとして、採用代行サービスを展開するキャスターとタッグを組み「note pro for HR」も始めている。
今回の取り組みはシンプルながら、noteを採用目的で使いたい企業にとっては重要なアップデートと言えそうだ。新機能によりnoteに求人ページのURLを貼るとリンク先の情報がリッチなカード形式で表示されるようになるとともに、募集職種や勤務地、雇用形態といった概要がnote上で見れるようになる。
noteのエディタが「Google しごと検索」が推奨する構造化マークアップを行なっているため、同サービスに対応している大手求人サイトが対象になるほか、Wantedlyのリンクも埋め込み可能だ。
またピースオブケイクでは新機能のリリースと合わせて、ミクシィ・リクルートメント運営の「Find Job!」と提携し、note pro利用企業はFind Job!の特別プランを利用できるようになったことも明かしている。
noteでは求人情報の埋め込み機能以外にも、説明会や採用イベントなどの参加者を募りたい場合などに使えるGoogleフォームやGoogleスライドの埋め込み機能を3月に実装済み。採用用途に限った話ではないものの、企業のメディア運営やコンテンツ制作をサポートする「note pro 編集パートナー」の取り組みも今月よりスタートしている。
note proの導入社数などは非開示とのことだが、スタートアップ界隈ではKaizenPlatformやSmart HR、Libなどがリクルーティング向けのコンテンツを積極的に発信し始めているそう。問い合わせも想定以上の数があるようで、法人向けの説明会を毎週開催しているという。
近年は社外の人材に自社へ興味を持ってもらうこと、カルチャーへの理解を深めてもらうことを目的として、理念やバリュー、サービスの裏側、社内の日常風景、会社の歴史などの情報をコンテンツ化して発信する企業が増えてきている。
note proがそれを支える代表的なプラットフォームとしてどこまで浸透していくのか、今後の機能追加なども含めて注目だ。
なおピースオブケイクCEOの加藤貞顕氏から今回の新機能についてコメントが得られたので、最後に紹介しておきたい。
「企業がメディアを運営する理由はさまざまだが、継続的に情報を発信することで、読んでくれた人に、会社や製品についての考え方や雰囲気をよく伝えることができる。目的が採用の場合は、情報発信を続けることで、お互いのミスマッチが減る効果も期待できる。大きなデータベースの中から会社を選んでもらうよりも、その企業の『人となり』を伝えて、そこに共感する人とつながれるのは、自社メディアを通じた採用のメリットではないか」
「(以前の取材で)note はクリエイターの本拠地にしていきたいと話していたが、企業のリクルーティングの拠点としても活用いただきたいと思っている。そのためには、noteの記事からストレスなく求人情報に遷移できる仕組みが必要だと考えて、今回の機能追加を準備してきた」(加藤氏)