Onlabが創業期向けに新たな育成プログラム、まる2日で事業成長を学ぶ「BootStrap」

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明日4月5日はOpen Network Lab(Onlab)が手がける「Seed Accelerator Program」のデモデイが開催される。Seed Accelerator Programは2010年にスタートした、国内では老舗のアクセラレーションプログラムだ。

今回で第12期を迎えるこのプログラムでは、採択された創業期のスタートアップに対して、3カ月間のメンタリングや資金提供を実施。その集大成として投資家やスタートアップ関係者などを前にプレゼンテーションを行うデモデイを行っている。これまで電動モビリティのWHILLや米国で福利厚生サービスを提供するAnyPerkをはじめとして合計64社のスタートアップを輩出してきた。そのうち40%のスタートアップが次のシリーズの資金調達に成功。全体の15%のスタートアップは10億円以上のバリュエーション(評価額)がついているという。

そんな実績を持つOnlabが、新たなプログラム「Open Network Lab Bootstrap(Onlab Bootstrap)」を5月27日〜28日の2日間、東京にて開催することを明らかにした。4月5日より特設サイトにて参加者を募集している。また反響を見て今後は東京のほか、地方での提供を進める。

Onlab Bootstrapは、「資金調達をする前のプロダクトをどのように作り・見せるといいのかを徹底的に学ぶ」ということをテーマにしたプログラム。Onlabと比較して事業成熟度や資金ニーズの低い、より創業期に近いスタートアップを対象にしたもの。通常3カ月続くOnlabのメンタリングでも特に重要な、事業のブラッシュアップに関わるポイントを2日に圧縮して伝えていくという。

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Onlabを担当するDGインキュベーションの松田崇義氏によると、Onlab Bootstrapでは(1)仮説とソリューション、それぞれについて深掘りしてすることで、プロダクトのニーズを検討する「アイデア検証」、(2)ユーザーのニーズを聞き具体的にどういったアウトプットをもらうべきか、何をもとにサービスの継続、ピボットを検討すべきかを学ぶ「ユーザーヒアリング」、(3)サービス(MVP:Minimum Viable Product)を作る上で考えるべき3つのこと、(4)プレゼンテーションのノウハウを中心とした「プロダクトの上手な見せ方」——の4点にフォーカスし、OnlabのメンバーやOnlab卒業企業の代表などがメンタリングを行うという。

DGインキュベ−ション マネージング・ディレクターの林口哲也氏は、新プログラム提供の背景について、アクセラレーターの増加やOnlabの東京外での認知拡大の2点で説明してくれた。Onlabのスタートした2010年と異なり、インキュベーション・アクセラレーションのプログラムは増えてきた。特に事業会社がオープンイノベーションの目的でプログラムを実施ししたり、エンジェル投資家がシードラウンドの資金調達やメンタリングを行うという機会が増えてきた。そのため、より若いステージのスタートアップに対しても提供できるメンタリングの仕組みが必要だと考えたようだ。また一方で、東京以外の地域(名古屋・大阪・福岡など)でのOnlabの認知度はまだまだ低く、プログラムの内容が見えにくいという課題も見えてきたことから、2日間集中・各地域で展開可能なプログラムになっているという。

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OnlabデモデーFall 2013 – 第7期はEdTech、クラウドソーシング、学内SNSなどを採択

デジタルガレージ、カカクコム、ネットプライスが手がけるシードアクセラレータープログラムOpen Network Lab第7期に参加したスタートアップ5社が本日デモデーに登場した。すでにTechCrunch Japanではおなじみかもしれないが、今回もデモデーでプレゼンテーションを行った全5社を紹介しよう。

今期はEdTech、サブスクリプション型EC、SNS、クラウドソーシングといったトレンディなスタートアップ達が採択されている。

Shakring — シェイカー株式会社

Shakringは世界中の人々が色々な”モノ”をレビューし、情報交換するためのアプリだ。「今さらレビューアプリか」と思われたかもしれないが、Shakringは既存のレビューサイトとは少し違ったアプローチをしている。

このアプリではレビューされたモノは「国籍」、「友達」、「宗教」とタブが分けて表示される。なぜこのような形にしているのかというと、シェイカー代表の金亨喆氏の体験が元になっているそうだ。

彼が数年前に都内のドラッグストアで買物をしている時に咳をしながら、風邪薬選びに困っているインド人の青年を見かけた。最初は日本語が話せない、読めないために薬が選べないのだと思い日本でポピュラーな薬(パブロン)を教えてあげたのだが、それでもこの薬を「どのような薬かわからなくて怖い」と言い、買うのを躊躇したという。

つまりは、異国で1人で薬なんかを選ぶ時には情報が少なくて困っている人が多いということだ。たしかに言われてみれば、旅行時に風邪を引いて薬を買おうとしても何を買っていいのか不安かもしれない。だから、自分の友達や同じ国籍、宗教(イスラム教徒は豚肉が食べれないなどがあるため)といったセグメントで分けた商品レビューが必要なのだと金氏は語る。

2012年の世界の旅行者は10億人も居るから、こういった悩みを抱えている人は多いとのこと。すでに提供予定のiPhoneアプリには日本語の商品が約20万件、英語では5万件が用意されている。

Locarise — Locarise株式会社

Eコマース市場は年々急成長している。この背景にはインターネット接続デバイスの普及、流通の効率化、ストア運営コストの低価格化などの要因が挙げられるだろう。この他にも、その要因の1つとして「ビジターの解析の高度化」もある、とLocarise CEOのFabian Dubois氏はいう。

今ではアクセス解析ツールは色々とあるし、無料でGoogle Analyticsのように豊富な機能が備えられているものも存在する。このおかげでビジターがどのような行動をしているかを分析し、最適化することで売上を伸ばすことができる。

それでも小売市場全体のうち未だに約90%をオフラインの実店舗の売上が占める。しかしながら、オフライン側で来店客の行動を分析するツールはまだあまり活用されていない。そこで、Locariseは実店舗向けのGoogle Analyticsを提供する。

来店客や店のウィンドウを見ている顧客の行動を分析し、ウィンドウを見ていた人が店に入るコンバージョン率はどのくらいか、彼らが店内に滞在時間した時間や購入までのプロセスはどうなっているのかといった情報をダッシュボードで確認できる。

Locariseは店舗にセンサーを設置して、ユーザーが持っている端末のWiFi信号を定期的に受信する。この信号を処理して、彼らの行動をウォッチするのだそうだ。だから、ユーザー側にアプリをインストールする必要はない。このサービスはすでに約15店舗がしているようだ。

Style with — 株式会社スタンドアローン

Style withはメンズ向け定期販売型のファッションECサービスだ。ユーザーが登録時に好みの服やブランドなどを指定すると、毎月、5つほどコーディネートを提案してくれる。このコーディネートは気に入ったらそのまま買うこともできるし、シャツだけ単品で購入することもできる。もちろん、全て買わないという選択もアリだ。

Style withと似たようなサービスでは昨年の500 Startupsのプログラムに参加していた「BOMBFELL」や、昨年後半にmixiが「Petite jete」(こちらは半年で終了)がある。Style withが特徴的なのは月額費をユーザーから取らない点だろう。

毎月のコーディネートの提案は無料で、実際に買物をする時に収益を得ることがこのサービスのビジネスモデルとなっている。スタンドアローンの黒濱達也氏によると、メンズファッションのEC市場は2015年に2,000億円規模になり、このうち日本でStyel withのモデルにあてはまる「テイストグラフ型」の市場規模は150億円になる見通しだそうだ。

Ednity — 株式会社Ednity

National Training Laboratoriesが提唱する学習定着率の「ラーニング・ピラミッド」によれば、一番記憶に残る学習方法は順に「人に教える」、「自ら体験する」、「グループディスカッションをする」のだそうだ。このような学習を可能にするのがチーム学習であるとEdnity CEOの佐藤見竜氏はいう。

Ednityはチームで学習できるように学校のクラス用SNSを提供している。FacebookやLINEでもグループ機能は使えるが、よりクローズドで安全な場を提供するためにこのサービスはあるという。

まず先生がクラスを作成するとパスワードが発行されるので、それを生徒や保護者に教える。クラスには先生からのクイズ、アンケートなどが投稿されたり、Q&Aフォーラムで生徒同士でやり取りもできる。先生の画面にはクイズの成績表なんかも用意されているから、宿題の提出・採点にも使えるそうだ。この他にも手書きのホワイトボードも用意されているから、複雑な数式もリアルタイムに共有することができる。

Onlabに以前採択されて、本誌でも紹介したLanguage Cloudは英会話教室と大学の語学講義向けに提供されていたが、Ednityはこれを全てのカテゴリに応用したようなイメージだ。

Viibar — 株式会社viibar

Viibarは映像制作に特化したクラウドソーシングサービスだ。元々映像の制作をしていたという同社代表取締役の上坂優太氏によれば、この業界はどこに発注すればよいのかもわかりにくいし、多くの行程があるが、どの行程でいくら費用がかかっているのかもわかりにくいのだという。

映像制作には編集、制作、サウンド、Web加工、配信測定、シナリオ制作…などの行程が存在するが、Viibarではこれらの行程ごとに各クリエイターが担当して1つの映像を完成させる。すでに約500名弱のクリエイターのネットワークを構築しており、高品質でスピーディーな納品ができているそうだ。

クラウドソーシングは比較的1対1のやり取りが多い気がするが、発注側に対して複数人のクリエイターがタスクを分けて担当するという点が映像制作では重要なようだ。

世界的にビデオ制作の市場は伸びており、オンラインだけでも3年後には日本で2,000億円になると予想されているという。今後はクリエイターを独自の審査基準でクオリティー、コミュニティの質を担保しながらサービスを拡大予定だ。

以上がOnlab第7期採択チームだ。Onlabはこれまでに35社を輩出し、その中にはY Combinatorに参加したAnypark、500 Startupsに参加したLanguage Cloud、AppSocially、WHILLなどが含まれる。このうち18社がファイナンスを実施しており、今年3月には映画オンデマンドの「ドリパス」を運営するブルームがヤフーに買収されるなど、徐々にイグジットするスタートアップもでてきている。

今後はよりグローバルに展開するために来月にはデジタルガレージのサンフランシスコセンターが完成する予定らしく、着々と準備を進めているようだ。なお、Onlab第8期プログラムはすでに募集が開始されており、11月8日までとなっている。


Open Network LabデモデーSpring 2013 – 第6期は著名サービスを採択

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デジタルガレージ、カカクコム、ネットプライスが手がけるインキュベーション事業Open Network Lab(以下、Onlab)の第6期生のデモデーが本日開催された。前回の第5期生には昨年のTechCrunch Tokyo スタートアップバトルに出場したWHILLや、スパルタ、スマクルといったスタートアップを輩出したOnlabだが、今期は珍しい展開となった。

というのも、Onlab第6期採択チームの3社のうち2社はすでによく知られていて、実績のあるスタートアップだったからだ。100近い応募の中からすでに知られている2社を採択したことにより、デモデーでの新鮮味には欠けていた。もちろんインキュベーションとして優れたスタートアップを選ぶのは当然のことだが、外野からすると少し残念な気持ちがある。悪いことに今期採択された3チームのうち1チームはデモが間に合わなかったためにデモデーでお披露目されることはなかった。

ここからは第6期に採択された2社を紹介するが、読者の方はすでにご存知のものが多いかもしれない。

papelook/pape.mu girls

すでに500万ダウンロードを突破し、今年3月にAndroid版のリリース後は毎月50万ダウンロードされている女性向けのアプリがpapelookだ。

このアプリは写真を切り抜いたり、コラージュしたりして写真を加工するためのツールで、デイリーアクティブユーザー(DAU)は23万人、マンスリーアクティブユーザー(MAU)は148万人を誇る。利用者の8割が女性で、75%は日本のユーザーだそうで、15歳から29歳の女性のiPhoneユーザーのうち2人に1人は使っているという若い女子には必須になっているアプリのようだ。

パペルック代表取締役社長の小澤一郎氏によると、日本のApp Storeのカメラランキングでは年間累計でYouTube、LINEカメラの次にダウンロードされているそうだ。

今後はスタンプ課金やスタンプ広告を来週から提供する予定だが、同社のメインのビジネスモデルではないという。

収益化のメインとなるのは同社が提供しているpape.mu girsだという。こちらもターゲットユーザー層は同じく、女性だがpapelookとは違いファッションメディアとして機能している。ユーザーが好きな女性誌を選ぶと、その雑誌に適したファッションアイテムや載っているモデルのブログなどから写真を取得しタイムライン形式で表示する。

こちらは昨年1月にリリースしてから25万ダウンロード、MAUが5万人、月間PVが600万とpapelookには劣るものの、1日あたりの平均滞在時間は50分だというから驚きだ。

このpape.mu girls上では気になる服をそのまま購入することもできるのだが、今後はブランドの全面広告の導入(バナーではなく、ページ1面に広告を表示する)、掲載されているモデルが着ている服をそのまま購入できる機能などを提供していくことで収益化を図るそうだ。

Lang-8

Lang-8は語学学習サービスでユーザー同士が学びたい言語の文章を添削してもらう代わりに、相手のユーザー書いた自分の母国語の文章を添削するものだ。

Lang-8のサービス開始は5年前とインキュベーション参加チームとしては珍しいが、Onlab参加後は成長率がグンと上がったとLang-8代表取締役の喜洋洋氏はいう。サービス内に投稿されるコンテンツは約1.5倍、添削数は約3倍、そして一番重要視している添削率は72%から94%まで改善されたそうだ。

この成長を後押ししているのが人材だ。以前はほぼ喜氏1人で運営していたのだが、Onlab採択後に元クックパッドの佐々木達也氏とデザイナーがジョインし、開発のスピードが増したのが主な要因だ。

リソースが増え、デスクトップのみ先に改善をしたところ上記のような改善が見られたそうで、今後はスマートフォンにも最適化し、さらなる成長を目指す。

収益化に関してはすでにプレミアムモデルでの課金が用意されており、プレミアムユーザーも順調に増えているそうだが、有料での添削やチューターとしてSkype等でのレッスンができる機能を提供する予定だという。

Onlab 第6期生のサービスで今回デモデーに登壇したのはこの2つだった。すでによく知られているスタートアップのサービスだったので、冒頭でも述べたように読者にとっても新鮮さには欠けるものに違いない。

この他、第1期から第5期に採択されたスタートアップの新サービス–Compath.meのKiDDY、お願いカンパニーのプログラミングスクールSpathSchool–と、FindJPNからリニューアルしたVoyaginが発表された(Voyaginは本誌でも取り上げられている)。この他、非公開プロダクトが1つ発表された。このうち、Compath.meの新サービスKiDDYをご紹介しておこう。こちらのビボット組のほうが、新鮮さを感じたのは間違いない。

KiDDY – Compath.me

KiDDYは家族内だけで共有したいものをクローズドな場で共有するためのアプリだ。Facebookなどではシェアしたくない家族内の写真をストックできる。使い方は簡単で写真を撮り、コメントを付けてアップロードするだけで、写真はカレンダー風に日付とともに表示されるデザインになっている。

このサービスは昨年末にリリースされ、今のところ最も需要のある子供の成長記録をアーカイブするためのアプリとして約1万世帯に利用されているそうだ(家族間で使うので世帯数を公開している。そのため、ダウンロード数ではこの2倍~3倍だろう)。

アップロードされた写真は累計22万枚で、ユーザー数は毎月約120%成長、DAUは約20%、WAUは約50%と順調に成長しているという。

収益化の方法はKiDDY内にアップロードされた写真をオシャレなポストカードにして届けるモデルで、今後は100枚ごとにまとめてアルバム風にしたものを定期的に配送する機能も予定している。

また、子供の成長記録をアーカイブするためのアプリという使われ方の他に、健康記録を管理するためにも使われるようになるとKiDDYを運営するCompath.me代表取締役社長の安藤拓道氏はいう。

現在は親や祖父母が子供・孫の写真を見るために登録して使っているが、徐々に健康管理にもKiDDYアプリを使うようになるという考えだ。

以上がデモデーで発表されたサービスだ。

なお、採択チームは少ないが6期生の中で最優秀チームが発表され、パペルックが選ばれている。