複数のNoSQLデータベースの使い分けを単一のREST APIでできる中間サービスOrchestrate

今は、アプリケーションのデータベースは一つあれば十分という時代ではない。今日では多くのサービスがさまざまなデータベース…とりわけNoSQLデータベース…を駆使して彼らのアプリケーションのいろんな側面を構成している。そうなると、複雑性とエラー箇所と費用が増える。またそれと同時にデベロッパはAmazon Web Services(AWS)的なやり方に慣れ、毎秒1000クェリから10000へスケールしても、かつてのローカルでオンプレミスのデータベースのように簡単に処理能力の限界にぶつかることもない。

昨年300万ドルのシード資金を獲得して今日(米国時間2/4)ベータを脱したOrchestrateは、一つのアプリケーションが複数のデータベースを使う場合の複雑性を、過去のものにしようとする。このサービスを利用するとデベロッパは、どんなデータ処理でも単一のREST APIの呼び出しで済ませられるようになる。そのAPI呼び出しでデータを受け取ったOrchetrateは、MongoDBやCouchDBなどもっとも適切なNoSQLデータベースを使用するが、デベロッパはそれらにOrchestrateの単一のAPIを介してアクセスすることになる。

同社の協同ファウンダでCEOのAntony Falcoによると、今はOrchestrateのインフラストラクチャの多くがAWSの上にあるが、今後は複数のクラウドを使うとともに、ヨーロッパやアジアのデータセンターもサポートしていきたい、という。そうなればたとえば、合衆国東部ではデータをAmazon上でホストし、ヨーロッパではSoftlayerを利用、しかし必要に応じて異なるクラウド間でデータをリプリケートすることも可能、という形になる。セキュリティ要件の厳しいユーザに、同社のサービスをオンプレミスで使わせることも、目下検討中だ。

今日正式ローンチしたものの、まだまだ付け加えるべき機能はたくさんある、とFalcoは言う。たとえば、古典的なSQLデータベースや、地理的空間的データのサポートだ。ただし地理的空間的データ(geo-spatial data)という言葉の意味がユーザによっていろいろ違うので、顧客が求めているものを正確に知ることが第一歩となる。

Falcoは、成功を収めたRiak NoSQLデータベースを抱えるBashoの協同ファウンダで、COOだった。Orchestrateは、今社員が12名だ。その多くはオレゴン州ポートランドの本社にいるが、リモートの社員も少なくない。

Orchestrateは、料金体系もシンプルを指向している。月間のクェリ操作が100万未満なら無料、1000万までが39ドル、そこから100万増えるたびに2ドルが追加請求される。ストレージに関しては課金しない。無料も含めてどの利用形態でも、モニタリングとサポートと利用状況報告と毎日のバックアップがサービスされる(バックアップ先はユーザが指定する…たとえばS3とか)。バックアップがこのようにユーザサイドにあり、データはすべてJSONオブジェクトとして保存されるから、いわゆるベンダロックインという問題はOrchestrateに関しては生じない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))