ビデオをストリーミングで提供するWebサイトをやっている技術者にとって、“ピーク時”は恐怖の言葉だ。Streamrootは、ビデオストリーミングの帯域や所要時間、ビットレートなど重要要素を、常時正常に維持するサービスを提供する。具体的には、Streamrootは通常のストリーミングサービスに加えて、ピアツーピアによる他の視聴者からのダウンロードも行う。
同社はこのほど250万ドルのシード資金をPartech Venturesから獲得、そのラウンドにはWalnut Venture Associates, Cherrystone Angel Group, Jean-David BlancそしてBpifranceらが参加した。
ビデオストリーミングの効率化といえば、Joost, Miro, Pandoなどなどすでに耳タコだと思うが、でもこれまでのそれらはもっぱら、デスクトップやモバイルのアプリ、あるいはブラウザのエクステンションだった。
Streamrootが他と違うのは、Webサーバがそれを使うことだ。Webのエンドユーザは、何もダウンロード/インストールする必要がない。WebサイトがStreamrootを使っていれば、それでよい。分かりやすく言うと、YouTubeが明日からStreamrootを使い始めても、エンドユーザは何一つ気づかない。
タイミング的にも、これからのWebはピアツーピアのビデオストリーミングの時代になるだろう。StreamrootはそのためにWebRTCと、独自のピアツーピアモジュール、HTML5によるビデオ埋め込み、適応ビットレート、などの技術を使っている。ライブのストリームも扱える。
ビデオを見ているエンドユーザは何も気づかないが、Streamrootはその楽屋裏で、そのビデオを今見ているほかのユーザから送信する。そしてそれによって、送信を高速化し、コストを下げる。
Streamrootがサーバをリプレースするのではなく、サーバの帯域負荷をやや軽くするのだ。違いは、Streamrootを使っていないサイトで人気のライブストリームを見ようとしたときに、たぶん分かるだろう。