巨大企業が支配するストレージ市場に参入したPure Storageの戦略とは…ストレージのド素人を雇うことだった

[筆者: Elisa Schreiber, John Colgrove, John Hayes]

2009年に創業されたPure Storageは、EMCやHPなどの既存勢力が30年以上も支配してきた業界に参入した。協同ファウンダのJohn “Coz” ColgroveとJohn Hayesは、既存の大企業と競合して負けないためには、まったく新しいやり方のストレージ企業を作らなければならない、と承知していた。

そのためにCozとHayesは、ストレージの既成概念にとらわれないゼロからのスタートが必要だ、と考えた。彼らはストレージに関して経験のない消費者企業の技術者を数名雇用し、彼らがどんなやり方をするか見守った。Cozは語る、“やり方を知らない仕事を任せられたら、人はなんとかして自分なりのやり方を見つけようとする。ほかの人たちがどうやってるか、なんてどうでもいいんだ”。彼らが作ったチームは、スキルも、物づくりに対する考え方も、さまざまな人たちの集まりだった。

事業をスケールするために助けが必要になったとき二人は、彼らがどんなリーダーを求めているのかを考えた。“名ばかりのトップは要らなかった”、とCozは回想する。彼らが求めたのは、いろんな人がその人を慕ってくるような人物で、自分たちの既存の企業文化との相性も良く、そして製品に貢献できるような人だった。そして、ビジネスの洞察力と技術力を兼ね備えた人物として、Scott Deitzenを迎えた。

同社は今も成長が続いているが、CozとHayesはチームのイノベーション意欲が衰えないことを求めている。従来のR&D部門や“部外秘”プロジェクトなどと違ってPure Storageには“スタートアップの中のスタートアップ”があり、そこが最初からエンドユーザのユースケースを想定しながら新製品を開発している。“純粋な”研究プロジェクト、というものはない。開発チームはメインのプロダクトチームと一緒になってイノベーションを継続し、その成果を現製品と開発製品に反映している。“イノベーションは製造ラインの上で生まれる、がうちの哲学だ”、とHayesは語る。

〔訳注: 筆者三名の経歴等は原文を見てください。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

フラッシュメモリだけでストレージサービスを提供するPure Storageが大枚$150Mを調達

フラッシュメモリによる高速ストレージサービスを提供しているPure Storagが、T. Rowe PriceやTiger Global Managementおよび一般投資家たちが率いる投資ラウンドにより、1億5000万ドルを調達した。過去の投資家、Greylock Partners、Index Ventures、Redpoint Ventures、Samsung Ventures、およびSutter Hill Venturesもこのラウンドに参加した。これで同社の総資本は2億4500万ドルになる。同社の発表によると、今回の投資は同社をIPOに向かわせる契機になる。

今エンタプライズ市場ではフラッシュストレージがホットだ。ビッグデータ時代の顧客は、ハードディスクのようなメカニカルなストレージからは得られない高速なデータ転送を必要としている。ソリッドステートなフラッシュメモリには回転ディスクや読み書きアーム/ヘッドといった可動部品がないので、ハードディスクよりもはるかに高速にデータを移動できる。

Pure Storageはpure-flashな(==フラッシュメモリのみの)システムを提供することによって、今のデータ時代の商機に乗じようとしている。同社はストレージ技術のリーダーEMCと直接的に競合する。EMCのサービスのベースはあくまでもハードディスクによるストレージプールだったが、昨年XtremIOを買収してフラッシュ市場への一歩を踏み出した。また6月にはアプリケーションサーバ上に仮想SANを構築するScaleIOを買収して、“ソフトウェア定義型ストレージ”がもたらすスケーラビリティとエラスティシティ(伸縮自在性)にも積極的な色気を示している。

だからPure Storageがこのところ、巨額な資金導入に走るのも当然である。EMCのような強敵に対抗できるだけの、ストレージサービスのハードウェアベースを…ディスクではなくメモリで…構築する費用は相当なものである。

Network ComputingのHoward Marksは6月に書いた記事で、Pure Storageは競合他社であるIBMやViolin Memoryなどよりも深い機能集合を構築した、と言っている。しかし同社の事業規模がEMCやNetAppなどのそれに近いものになり、ストレージ市場にまた新しい巨人が誕生するのかどうか、それが同社の今後に横たわる最大の期待、あるいは疑問符だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))