WebブラウザのメーカーMaxthonが、世界第三位のAndroidスマートフォン用チップセット供給者であるMediaTekの付加価値サービス部門Rolltechとの提携を発表した。その契約の内容は、2014年にMaxthon製のモバイルブラウザが全世界で1億台あまりのスマートフォンとタブレットにプレロードされる、というもの。デバイスのメーカーはLGE、ZTE、TCL/Alcatel、Gionee、Phillips、Techain、Konka、Lenovo Mobile、CKT、LavaMobileなど、きわめて多岐に亙る。
Maxthonの国際事業部担当VP Karl Mattsonは曰く、“ものすごく幅広いOEMたちだから、世界の各地でうちの製品を見ることになるだろう。それを想像すると、ぞくぞくするね”。“ロシアや中国、ラテンアメリカの大部分、それにインドネシアやタイなど、どこもこれからますますおもしろくなる市場だ”。
台湾の企業であるMediaTekは、QualcommやSamsungなどの既成勢力から急速にスマートフォン用アプリプロセッサのマーケットシェアを奪ってきた。それはデバイスメーカーの、なるべく速くなるべく安く製品を市場に出したいという要望に、独自のチップと命令セットとソフトウェアで応えてきたからだ。MediaTekのソフトウェアライセンシング部門であるRolltechは、OEMたちがソフトウェアとサービスを彼らのモバイルデバイスにプレロードする工程を支援している。それによって、彼らの、それでなくても薄いマージンを削ることなく、そのスマートフォンやタブレットの付加価値を高めているのだ。
途上国市場で売られるデバイスにブラウザをプレロードすることは、北京に本社を置くMaxthonの重要な成長戦略であり、今回のMediaTekとの契約はそのユーザベースを大きく拡大することになる(今現在で150か国あまり1億2000万人)。Maxthonは、競合するUCWeb、Opera、Firefoxなどに対して、インターネットの普及率がまだ低い市場に地歩を築くことによって、量で上回りたいと願っている。それらの新興市場では、ブラウザの既存ブランドに対するブランドロイヤリティも希薄だからだ。
“MediaTekとの関係は、二つの点で重要だ。ひとつは、当然ながら、今後の顧客(採用企業)増に寄与すること。しかし戦略的にもっと重要なのは、近未来の成長市場への足がかりを、確実に確保できることだ。インターネットユーザの次の10億が現れるのは、まさにこの市場からだ”、とMattsonは語る。
MaxthonのブラウザはChromiumベースだが、その多様な市場や文化の違いに対してローカライズがしやすいように設計している。たとえばタイではMMORPGの人気が高く、ブラジルではほかの国に比べて非常に多種類のソーシャルネットワーク/ソーシャルメディアが利用されている。Maxthonのブラウザはクラウドベースでもあるので、ユーザが多様なプラットホーム(PC、スマホ、タブレット、…)からコンテンツに容易にアクセスできることも、Maxthonに愛着する重要な動機になる、という。
再びMattsonは曰く、“最新バージョンではブラウザにおけるきわめてロバストなスマートフォン体験を実装している。各市場の特性に合ったやり方でコンテンツとサービスとビデオを集積するため、ユーザはどこでどんなデバイスを使っていても、特定コンテンツのオフライン視聴など、自分がカスタマイズしたWeb体験を損なわれることがない”。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))