4月18日に米国のUC Berkeley(カリフォルニア大学バークレー校)で開催された、TechCrunchのイベント「Sessions: Robotics + AI」。会場はロボットだらけで、メインMCを務めたTechCrunchの記者であるBrian(Heater)もロボなんじゃないかと一瞬、疑ったほどだ。
すべてではないが、会場やステージなどで披露されていた、ユニークなロボットたちを画像や動画で紹介したい。
SpotMini(Boston Dynamics)
まずは、説明不要だとは思うが、Boston DynamicsのSpotMini。当日は創業者でCEOのMarc Raibert氏が登壇し、犬型ロボットのSpotMiniを紹介した。詳しくはBrianの記事を参考にしてほしい。
同セッションでは、同社が大量生産する予定のSpotMiniが登場したが、ぱっと見は従来のモデルと同じ。何が違うのだろうか。
Reibert氏いわく、より信頼性のあるプロダクトにするため幾つかの構成部品を再設計、そして、倒れた際などを想定し、より強固なスキンに更新した。同機にはカメラが前後左右に配置されていて、全方位を見ることが可能だ。
SpotMiniは7月に発売予定。Raibert氏は近い未来、デベロッパーたちが専用アプリを作ることで、SpotMiniが「ロボティクスのAndroid」になることを期待する、と述べていた。
同日、イベント終了後には会場の外でデモが行われ、多くの人たちが集まっていた。
Brianいわく、彼はBoston Dynamicsの従業員以外でSpotMiniを操縦したことのある、数少ないラッキーなロボットオタクだという。
だが、当日の会場では、Raibert氏に声を掛けられた小さな女の子が、SpotMiniの操縦をちょっとだけ体験していた。父親は終始「マジかよ」って顔をしていたが、彼女が大人になった時、有能なロボット開発者になっていることを期待したい。
Kiwibot
会場の外を走り回っていたのは、小さくてかわいらしい、お弁当配達ロボットのKiwibotだ。
このKiwibotはUC Berkeleyの構内でも食事を配達している。生徒たちは学校のキャンパスからアプリを通じてランチなどを注文し、Kiwibotが配達してくれるのを待つ。
当日のセッションで登壇したKiwibotのCEOであるFelipe Chavez Cortes氏は「これまでに3万5000件の注文に対応した」と述べた。同社のSasha Latsenia氏は、KiwibotはUber EatsやGrubhubと比べると配達の効率がはるかにいいと説明。注文を受けロボットに食事を入れるスタッフ1人につき、1時間に15回のデリバリーに対応することが可能だという。
Cortes氏は、来年までに、全米の30もの大学がKiwibotを導入し、毎日、合計500台ものロボットが数千食を配達している状態を目指す、と話していた。
Terra(iRobot)
お掃除ロボのRoombaなどでおなじみのiRobot。当日登壇した同社のCEO、Colin Angle氏がステージに連れてきたのは今年の1月に発表された芝刈りロボットのTerraだった。
Terraは2019年中にドイツで販売、 米国ではベータ版プログラムとして提供開始される予定だ。Angle氏いわく、お掃除ロボに次いでリクエストが多かったのが芝刈りロボット。
Roombaの登場から17年後に発表されたTerra。Angle氏は、開発にあたり一番大変だったのは、Roombaと違い、強力な「刃」が必要だったことだと話した。Roombaは比較的「安全」なロボットだったのに対し、Terraには草を狩る刃がある。この刃を「ロボットフレンドリー」にするため、岩などに当たった際に「引っ込む」ように設計されている。
また、Roombaのような動きだと芝の模様が「ゴッホの絵画」(Angle氏)のようになってしまうため、また、芝生の中に花や木が植えられている可能性もあることなどから、「アウトドアナビゲーションシステム」を開発した。
LOOMO(SEGWAY ROBOTICS)
Kiwibotとともに会場の外に展示されていたのは、SEGWAY ROBOTICSのLOOMO。SEGWAYの上にロボットが乗っかっているような見た目。パーソナルモビリティーとパーソナルロボットのいいとこ取りといった感じだ。
公式サイトによると、最大時速は、ロボットモードで4.3mph (8km/h)、乗り物モードでは11mph (18km/h)。一回の充電で22 miles (35km)ほど走行できる。カメラが付いているので動画を撮影することも可能だ。
会場の外では走行デモが行われていた。
ロボットモードではLOOMOが後ろを付いてきてくれる。