エストニアのLingvistが開発している、外国語の適応学習ソフトは、同社の主張によると、新しい言葉を学ぶのに要する時間を大幅に短縮する。その同社がこのほど、100万ユーロの資金を調達した。投資家は、国の投資ファンドEstonian Development Fundの投資部門SmartCapと、北欧を主な圈域とするVC Inventure、およびエストニア内外の数名のエンジェル投資家だ。
わずか1年前にMait MüntelとOtt JalakasとAndres Koernが創業した同社は、その発端がMüntelの経験にある。彼はCERNで数年仕事をしていた物理学者だが、最近フランス語を勉強したいと思った。既存のオンライン/デジタルの言語学習ソリューションをいろいろ調べた彼は、良いものがないことに気づいた。彼は言葉を統計的に分析して語や語句、用法などの出現頻度やそれらのあいだに存在する相関関係を洗い出し、また人間の記憶の過程を最適化することによって、新しい言葉を学ぶために必要な時間を大幅に減らせるはずだ、と考えた。
そこでMüntelはまずプロトタイプを作り、それを自分で使ってフランス語を十分な実用レベルに達するまで勉強した。その結果、200時間でエストニアの国家試験に合格できた。そのソフトウェアをSkypeの初期のエンジニアで今は活発な投資家であるJaan Tallinnに見せたところ、彼は、本格的に企業化することをすすめた。
Müntelはこう語る: “外国語学習の効率が悪いのは、不適切なコンテンツを教材に使っていることと、反復の間隔が最適でないことが原因だ。デジタルの外国語学習ツールも、その多くは、印刷物の教科書で使われていた教え方を依然として使っている。つまり、生徒たちがコンピューティングのパワーを持ったデバイスで勉強しているという事実と、言葉の用例データを記録したり分析する能力がそれらのデバイスにあることを、有効利用していない”。
それらとは対照的にLingvistの外国語学習は、ビッグデータの分析に基づいている。Müntelはは曰く、“大量のテキストを分析して語や用例の出現頻度とそれらの相関関係を把握し、それによって、何からどういう順序で学んでいくのがベストか、というプライオリティを確立する。そしてそれに基づいて、生活や社会の現実に合った、今日的な語彙を教えていく。その順序は画一的でなく、生徒一人一人の能力差に合わせている”。
だからそれはまさしく、外国語の適応学習だが、そこでは学習者一人一人が、今何を知ってて、理解してて、できて、何を知らない・理解してない・できない、かをソフトウェアが判定し、次は何を勉強すべきかを決めるのだ。同社によれば、既存のオンライン学習サイトはどれ一つとして、それができない、と。
LingvistはアクセラレータTechStarsの、最近ロンドンで行われたクラスの卒業生でもある。現在は英語とフランス語の学習モジュールを非公開ベータで動かしており、それへの招待をここで申し込むことができる。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))