ビデオメンタリングプラットフォームのSuperpeerが約8.3億円調達、複数人数を相手にできる有料チャンネルも公開

さまざまな分野の専門家が知識をオンラインで共有して収益化するサービスを提供するスタートアップのSuperpeerが、800万ドル(約8億3000万円)を追加で調達したと発表した。

2020年3月に筆者が記事にした通り、専門家はSuperpeerのプラットフォームを利用してアドバイスを求める人との1対1のビデオ通話を宣伝し、予定を立て、課金することができる。

資金調達の発表に加え、Superpeerは1対1のセッションの他に有料チャンネルも開始した。有料チャンネルでは、専門家はサブスクリプションの課金で複数人数を相手にビデオとチャットを利用することができる。共同創業者でCEOのDevrim Yasar(デブリム・ヤシャル)氏は有料チャンネルについて、Superpeerにいる専門家ともっと話しやすくなり、専門家は視聴料金が安くて済むセッションを開催して多くのオーディエンスにリーチできると説明した。

ヤシャル氏は「たとえば『私はAnthony Ha(訳注:本記事の筆者)です、もしあなたが私と話したいなら1時間あたり500ドル(約5万2000円)ですよ』というのは難しいかもしれません。しかし1ドル(約104円)、あるいは5ドル(約520円)のサブスクリプション代金で誰でも視聴できるチャンネルを持っていれば、利用者はアクセスしやすくなり、専門家側は安心できます」と述べた(筆者と話すのに1時間あたり500ドルなどということは決してない。念のため)。

さらに、チャンネルでのセッションの後にまだ「熱心な質問」があるサブスクライバーがいれば、1対1の会話を提案する(そして追加で課金する)こともできる。

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の中で、オンラインでのメンタリングとコンテンツが新しい収入源として広く活用されるようになってきた。たとえば米国時間11月16日には、Squarespaceが「Member Areas」という新しい収益化の手段を公開した。筆者はProxという別のビデオメンタリングプラットフォームについても記事にした(未訳記事)。

ヤシャル氏は競争が激しくなってきていることは認めたが、Superpeerは知識人やソートリーダーにとって最も魅力のあるブランドとなるように努めているという。同氏はこのビジョンを(半分は冗談で、半分は誇らしげに)「優秀な人を好むファン専用」と表現した。

ヤシャル氏は次のように述べた。「もし知識人で、オーディエンスがいて、ビデオが3000万回再生されるTEDのスピーカーだとしても、そのオーディエンスから実際に収益化するプラットフォームはこれまでありませんでした。できることといえば、本を書いて販売し、誰かのイベントにゲスト出演することぐらいでした。こうした人々はYouTubeやInstagramには行きたがりません。自分自身と結びつけたいブランドではないからです」。

Superpeerはブランディングだけでなく、ブラウザでビデオを快適に視聴できるよう技術面にも熱心に取り組んでいるとヤシャル氏は述べた。

今回の資金はAcrew Capital、Audacious Ventures、Homebrew、Moxxie Ventures、Brianne Kimmel、Scott Belsky、OnDeckから調達した。Superpeerの合計調達金額は1000万ドル(約10億4000万円)となった。

ヤシャル氏は、成長チーム、パートナーシップチーム、収益チームを拡充していくと述べた。また専門家に対してブランドアンバサダープログラムを通じて収入面の支援もしていく予定だが、詳細は検討中だという。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Superpeer資金調達

画像クレジット:Superpeer

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(翻訳:Kaori Koyama)