今朝(米国時間6/17)、Microsoftは大規模な組織改革と幹部人事を発表した。これに伴って最高幹部の何人かはMicrosoftを離れる。サティヤ・ナデラは社の内外に宛てたメモで「今回の改革は人材をMicrosoftの戦略によりよくマッチさせるためのもの」と説明している。Microsoftにとって今月は会計年度末に当たる。
長年にわたってセクショナリズムと派閥抗争で名高かったMicrosoftの悪しき伝統が改善されるのか注目だ。
Myerson
OSの責任者だったTerry Myersonは今回の改革で権限を拡大した。Myersonは新たに設けられたWindowsとデバイス・グループのトップとなった。この事業部はWindows OSとそのハードウェアを共に統括する。
Windowsとデバイス・グループは、Windows OSに加えて、Lumia、HoloLens、Surface Hub、Xbox、Surfaceなどのハードウェアを担当する。
OSとハードウェアをMyersonの下に統合するのはWindows 10がXbox、 Lumia、Surfaceなどすべてのハードウェアで横断的に作動するようになったことを反映しているのだろう。これらのデバイスはWindows 10のインストール・ベースの拡大に重要な役割を果たすことになる。
Appleは長年にわたってハードとソフトの協調で高い評価を得てきた。オペレーティング・システム・グループとデバイス・グループを統合したのはMicrosoftもこれにならおうとしているのだろう。
大きく権限を拡大したMyersonは次期CEOの候補として存在感を増した。
Elop
Elopは去る。
この大物の出戻り組は2年もたなかった。Stephen ElopはMicrosoftからNokiaに移り、続いてそのハードウェア部門がMicrosoftに買収されるのに伴って復帰してきた。スマートフォンを含めたハードウェア事業をMyersonが指揮することになってElopの居場所はなくなったわけだ。
Guthrie
Myersonに次いでSoctt Guthrieも権限を拡大した。クラウド事業のトップの地位は保持したまま、企業向けにCRMなどのビジネス・ソリューションを提供するMicrosoft Dynamicsの責任者となった。
MicrosoftによるとDynamicsの売上は20億ドルに上るという。 エンタープライズ向けクラウド事業のBoxの今年度の売上は3億ドルで、時価総額は20億ドルだということを考えるとDynamicsの規模の大きさが分かる。
Tatarinov
Dynamicsチームの現在のトップ、Kirill Tatarinovは去る。ナデラのメモの言い回しは慎重だが、どうやらDynamicsチームは他事業部に分割吸収されるのかもしれない。
Lu
アプリケーションとサービス・グループのトップ、Qi Luは新たにエンジニアリング部門のトップも兼任する。Luも昇任組だ。
【後略】
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)