AmazonのKindle Textbook CreatorはAppleのiBooks Authorとやり方がかなり違う

AmazonがKindle Direct Publishing(KDP)の著者のための新しいツールを、教育者や教育機関のための部門KDP EDUから出した。そのツールはKindle Textbook Creatorと呼ばれ、それを使って著者たちが電子的なテキストブックを作り、FireタブレットやAndroidデバイス、iPhoneとiPad、MacとPCなどへとパブリッシュする。AppleとiTunes UのiBooks Authorにやや似ているが、既存のテキストのPDFをベースとして使い、その上に主にKindle用のいろいろ賑やかな機能を載せる。

Kindle Textbook Creatorは、既存の教科書出版業界とパートナーしてテキストブックの制作を早くやることをねらっている。一方iBooks Authorは、教育者たちがゼロから何かを作ることを支援する。Amazonのこの新しいツールで作ったeブックは、カラフルで目立つページや、ノート、フラッシュカードによる練習問題や復習、辞書、そしてもちろんマルチプラットホームのサポートがある。またそのほかのPDFドキュメントを、含めることもできる。

経済的な側面はKDPのものがそのままEDU部門にも適用され、著者が得るロイヤリティはオプション次第で最大70%、コンテンツの著作権は著者に帰属する。またKDP EDUの出版物はKindle UnlimitedやKindle Owners’ Lending Libraryで貸し出されたり、Amazonの無料ブックプロモーションでマーケティングの素材になったりする。

EDUのTextbook Creatorはかなりシンプルな構造のようだが、Amazonは今後機能はもっともっと増える、と言っている。教育者向けのツールは今後、すごく高度化するのかもしれない。今のところはレガシーの教育出版業界自身の、教育の専門家や著者などによる自費出版の振興努力と歩調を合わせている。AppleのiBooks Authorツールは、教育者たちにいきなりデジタルでオリジナルを作らせようとしているが、Amazonは著者や出版社に、今あるものを何でも持ち込んで、同社の教育市場へのリーチを広げる手助けをしてください、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazonがオンラインで算数を教えるTenMarksを買収, いよいよ教育アプリ/コンテンツに本腰

Amazonが、オンライン教育のTenMarksを買収する、と発表した。後者は現在、算数のカリキュラムを提供しているが、AmazonのKindle担当VP Dave Limpの声明では、“ AmazonとTenMarksは共に、リッチでマルチプラットホームな、そして先生たちと親たちと児童生徒に愛される、教育コンテンツとアプリケーションを開発していきたい”、ということだ。

TenMarksは2008年に創業され、これまで何度か、投資ではなく融資を得てきたが、至近の2011年9月には、Catamount VenturesとBirchmereから300万ドルの投資を獲得した。

TenMarksのサービスTenMarks Mathは、教師が指定した難度とコンセプトに基づいて、‘プレイリスト’と呼ばれる個人化されたカリキュラムを作る。教師はこのサービスを無料で利用でき、今では全国数万校で採用されているという。

TenMarksの協同ファウンダRohit Agarwalは今日(米国時間10/10)の声明の中で、“AmazonとTenMarksは、学校や家族が実装しやすいソリューションを誠意をもって真剣に開発していく”、と述べている。“弊社は現在、教師と児童生徒と親に、算数の全国標準必修カリキュラムの効果的な履修を助けるリソースを提供している。それらによって、大規模でプロフェッショナルな授業展開や、親とのコミュニケーションが可能になっている。弊社のビジネスモデルはこの信念を反映して、先生たちの登録と利用は無料、ほかに必要に応じて有料の機能も利用できる、という形になっている。今後は、AmazonとTenMarksが協力して、K-12の分野に重要なイノベーションを作り出せると信じている”。

しかしTenMarksのこれまでのビジネスモデルは、Amazonの一翼となる今後は意味のないものになるだろう。買収の完了は2013年の第四四半期内とされ、金額条件等は公表されていない。

Amazonは教育コンテンツと教育アプリ/アプリケーションを‘マルチプラットホーム’向けに制作提供していく、と言ってるのだから、それらがKindle向けに限定されないことは明らかだ。Kindleそのものも今では、iOSと‘ふつうの’Android用にアプリがあり、またKindleコンテンツをブラウザ上で読むことのできるWebアプリケーションもある〔日本はまだのよう〕。いわばAmazonは伝統的に、マルチプラットホームだ。

また、タブレットの教育利用では、教科書なども含めてApple iPadがダントツに強いが、当然Amazonは、Kindleと今回のような内製コンテンツで、食い込みをねらうだろう。今あるKindle Textbook Rental(教科書レンタル)も、今後はそういったアプリと連携して、より魅力的なパッケージを提供していくだろう。

現在のAmazonは、アプリの量ではGoogleやAppleに大きく差をつけられている。しかしそのことは、今後の教育市場開拓とは無関係だ。重要なのは、学校と親がとても気に入るような、魅力的なコアカリキュラムを、今回のように教育テクノロジ企業とのパートナーシップで作っていくことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))