高級品卸売マーケットプレイス「The Main Tab」が約1.1億円のプレシード資金を得てプラットフォームを刷新

高級卸売マーケットプレイス「The Main Tab」は、2021年初めにシリアルアントレプレナーであるJason Bright(ジェイソン・ブライト)氏から100万ドル(約1億1200万円)のプレシード資金を調達した後、プラットフォームのデザインを一新する。ブライト氏は現在、同社のCTOを務めている。

ニューヨークを拠点とする同社は今秋、約200の小売業者とともに新しいウェブサイトとアプリを立ち上げる準備をしているが、さらに約1000社の小売業者がウェイティングリストに登録していると、The Main Tabの創業者であるLiseda Shelegu(リセダ・シェレグ)氏はTechCrunchに語った。

「資金のかなりの部分を技術面に投入し、ウェブサイトを一から完全に再構築しました」と彼女は述べている。「当社は、セールスレップにフレンドリーな唯一のマーケットプレイスです。すべての注文を書くのはセールスレップですが、当初はそれが契約の関係で最大の障害の1つでした。だからこそ、会社の一部として参加してもらうことにしたのです」。

The Main Tabのランディングページ(画像クレジット:The Main Tab)

追加資金は、同社の現在3人のチームへの増員と、セールス・マーケティングに充てられる。セールスの経験があるシェレグ氏は、今まで広告に多額の資金を投じることには慎重で「昔ながらの方法」で小売店やブランド、セールスレップに直接連絡を取っていた。

また、同社が想定している課題の1つに「在庫」がある。今、eコマースを悩ませている在庫不足やサプライチェーンの停滞は、彼女の担当する小売業者にも影響を与えている。例えばあるビジネスオーナーは、ガラスの調達ができないため、キャンドルの在庫が通常の20%程度になると言っていた。

「ビジネスを行う上で、10月は通常月2万ドル(約224万円)の売り上げがあるのに、在庫がないためにそれが5千ドル(約56万円)になってしまうというのは、非常に大きな影響です」とシェレグ氏は語る。

シェレグ氏は、The Main Tabの商品調達の多くは、彼女が「買い物大好き人間」であることと、ブランドに精通していることから来ていると冗談めかしていう。ソーシャルメディアでターゲティングされた広告を多く受け取り、オーナーと連絡を取り合うこともあるが、小売価格帯、パッケージ、そしてオーナーのストーリーを重視しているという。

The Main Tabに掲載を希望する小売業者は1000社にのぼるが、同社が承認するリテーラーは申し込みを受けるうちの約30%で、それにより小売バイヤーは何千ものSKUを取捨選択する時間を節約できる。ブランドは、小売店から注文を受けると手数料を請求されるが、紹介した小売店や現在取引のある小売店の手数料はゼロだ。また、小売店は今すぐ購入して後払いすることができ、ビジネスステータスに応じてその他の特典を利用することもできる、とシェレグ氏は述べている。

このウェブサイトには、Agraria(アグラリア)やBodewell Livingなどの厳選された高級ブランドが掲載されており、それらのブランド、独立したセールスレップ、小売店が1つのウェブサイトでつながり、ビジネスを行うことができると、ブライト氏はEメールで語った。

「小売店が商品を発見する方法は、地球規模の医療危機に際し変化しています」と彼は付け加えた。「私は常に問題を解決する企業に投資したいと考えており、投資してCTOとしてチームに参加できたことをとてもうれしく思っています」。

画像クレジット:The Main Tab / The Main Tab founder Liseda Shelegu

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(文:Christine Hall、翻訳:Aya Nakazato)