さらば「powerlanguage.co.uk/wordle」、これまでの「Wordle」

米国時間2月10日午後をもって、powerlanguage.co.uk/wordle(人気のインターネット日刊ワード・パズルのややこしいURL)へ行こうとした人は、The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)のウェブサイトにリダイレクトされる。そこでは不思議なほど見慣れたようでいて、どこか違った感じのするウェブページがみんなを出迎えてくれる。よく見ると「Wordle(ワードル)」のタイトルはNew York Times特有のフォントになっていて、懐かしのHelvetica(ヘルベティカ)ではなくなっていることに気づく。

画像クレジット:TechCrunchによるスクリーンショット

あれはつい先週のこと、New York TimesはJosh Wardle(ジョシュ・ウォードル)氏の爆発的ヒット作品を「7桁の低い方」の金額で買い取った。しかし、この伝統的新聞社はもう動き出している。URLをリダイレクトした! つい3時間前、New York TimesはWordleのヒントと小技ページまで公開したのだが、そこには従来の「power language」のURLへのハイパーリンクが書かれている。おそらくライターたちは我々同様ノスタルジックなのだろう。

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こうなることはわかっていたし、ゲームに加えられた変更はごくわずかですぐには気づかないかもしれない(右上隅にハンバーガメニューがあり、New York Timesの別のゲームに飛べる)。しかし、少なくともここTechCrunchでは、あの奇妙なURLを溺愛していた。

我々はpowerlanguage.co.uk/wordleが好きだった、なぜならあまりにも直感的でなく、バイラルにするつもりがまったくなかったからだ。誰1人検索エンジン最適化や発見されやすさに悩んだことがなく、それでも大ヒットした。友達からWordleについて聞いたとしても、Google検索してあの「power language」ウェブサイトが果たして自分の行くべきところなのかどうか悩んだかもしれない。本当はアプリなのだろうと思い、間違って偽物をダウンロードした人もいるだろう。

なぜpowerlanguageなのか?幸いTechCrunchは、2022年1月にウォードル氏をインタビューしたとき、彼のオンラインペルソナの由来を聞くことができた。突如引っ張りだこになったプログラマーにとって、それは一昔前のことのように感じることだろう。

「あれはオンラインで長い間使っているユーザー名で、元々は人の言葉を聞き間違えたことから来ているんです。若い頃、友人と私はある人にひどく られました。お互いに悪態をついていたことで られたんです。私はその人が『power languge(パワーランゲージ)』と言ったと思いました。思い起こしてみると、その人は『foul language(汚い言葉)』と言っていたのを聞き違えたのです。しかし私は、悪態をつくことを『power language(強力な言葉)』と呼ぶ考えをとても気に入って、16歳かそこいらの時にするように、それをなんとなく引き継いだのです」。

残念なニュースもある。ウェブが移行してもゲームプレイの統計は維持されるが、連続記録はリセットされるようだ。気に入らないが、これは完璧である必要性から我々を解放するいい機会なのかもしれない。明日は本当に悪い言葉を初手に選んで、言語のパワーに浴することにしよう。どうして文字を並べて並べ直すことがこれほどの喜びをもたらし、友達とシェアすることが毎日の儀式になるのだろう。ときには怒りのツイートになることもあるだろうが、それもまた良し。

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画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nob Takahashi / facebook

人気ワードパズルゲーム「Wordle」をニューヨーク・タイムズが買収

世界中のユーザーを虜にしている人気パズルゲーム「Wordle」が、The New York Timesに買収されたこと明らかになった。同ゲームは「7桁ドル(数億円)前半」の非公開の価格で買収されたという。The New York Times Companyによると、Wordleは当面の間、新規および既存のプレイヤーは無料でプレイできるとのこと。また、同社への移行にともない、ゲームプレイに変更はないとしている。

The New York Times Companyはプレスリリースで「『The Times』が毎日パズルでより多くの解答者を楽しませようとしている中、特にこの不安な時代に、刺激的で人t気のある日常的な単語ゲームで文化的な現象となっているWordleの買収を発表できることをうれしく思っています」と述べている。「プレイヤーに5文字の謎の単語を6回推測させるWordleは、New York Times Gamesのオリジナルパズルゲームのポートフォリオに加わります」。

このゲームは、ブルックリン在住のソフトウェアエンジニアJosh Wardle(ジョシュ・ウォードル)氏によって、2021年10月にリリースされた。それ以来、このゲームは爆発的な人気を博している。11月1日には90人がプレイしていたが、その2カ月後には30万人のユーザーを獲得。今では毎日数百万人がプレイしている。

ウォードル氏は2022年1月初め、TechCrunchの取材に対し、もともとワードパズル愛好家であるパートナーのために2021年にワードルを作り、一緒に遊べるようにしたと語った。Wordleは、彼が他の創作活動の拠点として何年も前から持っているウェブサイト(英国にいたころのpowerlanguage.co.uk)でホストしており、ウォードル氏はこのゲームを何気なく家族と共有していた。その後、数人の気心の知れた友人に教えたところところ、どんどん人気が出てきたという。

「The New York Timesと、Wordleの運営を引き継ぐことで合意に達したことを発表できて、とてもうれしく思っています」とWardleはツイートで述べている。「もしあなたがWordleのストーリーを一緒に追ってきたなら、NYTのゲームがその起源において大きな役割を果たしていることをご存知でしょう。ゲームがNYTのサイトに移動したら、誰でも無料で遊べるようになります。NYTと協力してプレイヤーの勝利と連勝記録が確実に保存されるようにしています」という。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Aisha Malik、翻訳:Katsuyuki Yasui)