日本のeコマースの巨人、楽天は今日(米国時間9/25)、強大なAmazonと差別化すべく、アメリカのRakuten.comに新たな機能を追加した。 このRakuten EssentialはTidal Labsのネットワークを通じてRakutenで販売される製品を推薦するブログ・コンテンツをインポートするものだ。
この機能は消費者がRakutenネットワークの掲載製品についてより深く知って購買意欲をそそられたり、あるいは少なくともRakuten.comを次回も訪問してくれるよう仕向けたりするのが目的だ。
Tidal Labsはあまり知名度は高くないが、いわば無印のハフィントン・ポストのようなものだ。またAbout.comにも似ている。特定の分野に詳しく、(この点もハフポに似ているが)たとえ無給であってもそれについて記事を書きたい熱心なブロガーを大量に組織している。Tidalがハフポと違うのは、こちらは他のサイトにコンテンツを供給することに特化している点だ。
Tidalの共同ファウンダーのMatt Myersは私の取材に答えて「一部のブロガーには報酬を支払っている。全員にではない」と答えた。たとえばTidalはCondeNast傘下のLucky.comにコンテンツを供給している。Luckyには何千人ものTidalのブロガーの記事が掲載されている。その一部は報酬を得ているという。しかし大多数のブロガーは有力サイトに記事が掲載され、ブロガーとしてイベントに招待されることがあるだけで満足しているのだという。
2011年のローンチ以来、TidalはConde Nast、HarperCollinsのようなメディアやPepsiのようなブランドと提携してきた。
こうしたブログ記事の一部は製品やサービスのプロモーションを意識している。企業サイトや一般サイトで特定の製品を推薦する記事やを見かけたことがあるだろう。RakutenEssentialはコンテンツがeコマース・サイトに特化しているという点でTidalにとって新しい分野の開拓となる。
もちろんRakuten.comにとっても重要な機能強化だ。このサイトは以前のBuy.comで、2010年に楽天に2億5000万ドルで買収されてRakuten.comに再編された。Rakuten.comのCOO、Bernard Luthiは「買収当時、Buy.comは主として消費者向けエレクトロニクス製品の通販サイトで、ユーザーもそれに見合ったもの(若い男性)だった。その後のわれわれの努力は主として、女性や子供、年配のユーザーを取り込むことに当てられた。Rakuten Essentialがその役に立つことを期待している」と語った。
またLuthiは「この提携は当面TidalのコンテンツをRakuten.comに導入することだが、将来はTidalのネットワークを通じて、製品に関するブログ記事にウィジェットを埋め込むことによってRakutenの商品をサイト外でも販売できるようにしたい」という。
両社はこの提携の財政面については明らかにしていない。Tidalと楽天の提携によって、楽天大株主の一員であるPinterestとなんらかの関係が生じるのかも注目される。現在、Pinterestは収益化に向けておそるおそる第一歩を踏み出したところだ。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)