PayPal、キャッシュ支払サービスのTIO Networksを2.33億ドルで買収へ

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PayPalは支払サービスの有力企業、TIO Networksを2億3300万ドルのキャッシュで買収することで同社と合意した。TIO Networksは公共料金などの請求書をドラグストア・チェーンのRite Aidなどの店頭で支払えるようにするサービスだ。今回の買収によりPayPalは一挙にこの分野への参入を果たした。

この買収により、PayPalは給料日から給料日までぎりぎりの生活を強いられている北米の人々に対するサービスが可能になる。こうした人々の多くは銀行口座を持っていないためクレジットカードが利用できない。PayPalのCOO、Bill ReadyはTechCrunchの取材に対し「われわれはこうした〔恵まれていない〕人々に対してデジタル時代への橋渡しをしたい」と語った。

TIO NetworkをPayPal本体にどのように統合するのか、具体的な計画はまだ明らかではない。しかしキャッシュによる支払いをデジタル支払サービスに統合しようというのは以前からのPayPalの目標だった。開発チームはキャッシュをオンライン支払にあてる手続きを簡単に行えるPayPal Cashというシステムを発表している。

昨年TIOは6万5000箇所の支払いコーナーで1400万人の顧客の70億ドルの支払を処理している。

TIOはカナダのバンクーバーを本拠とする会社でドットコム・バブルの時代にトロント証券取引所に上場した。最近の時価総額は買収金額を25%程度下回っている。PayPalは最終的に1株2.56ドルという条件を示した。買収の完了は今年中となる。

PayPalは今やオンライン支払の世界的な巨人であり、PayPalサービス以外にもモバイルのピア・ツー・ピア資金移動アプリ、Venmoなど数多のくサービスを傘下に持っている。またUberやAirbnbの支払を処理して大成功を収めたBraintreeも買収している。

PayPalがeBayからスピンオフしたのは2015年で、企業規模はすでにeBayを追い越している。時価総額は510億ドルで、株価は昨年21%上昇した。

画像: PayPal

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+