三軸ツールビロン(トゥールビヨン)は、時計の複雑なメカニズムの中でも、もっとも複雑なもののひとつだ。時計メーカーのAbraham-Louis Breguetが最初に作ったこのタイプのツールビロン、通称“つむじ風”は、時計の各部に対する重力の悪影響を打ち消すために、時計のテン輪(balance wheel)を回転させる。それは巧妙複雑で、原子時計とナノ素材の時代には無用な仕組みだが、でもすごくクールだ。
オリジナルの、もっとシンプルなモデルに基づく、この新しい三軸ツールビロンはここでダウンロードできる。複雑な部品が70あり、簡単なモーターで動く。
ご覧のように主な部位はテン輪であり、それが行ったり来たりして時計を動かす。テン輪はスパイクのような形のかごに収められ、それが複数の軸の上で動く。テン輪がスピンのスピードをコントロールし、このようなデバイスはもっと複雑で高価なツールビロン時計の上で中古品として使われていることが多い。ツールビロンは元々、時計が乗馬用ベストのポケットなどに入っているとき、時計の精度を良くすることが目的だった。時計に、水平でなく垂直の動きが加わるときには、重力が時計のテン輪をおかしな方向に引っ張る、と考えられていた。三軸で回転させることによりテン輪は、ありとあらゆるすべての姿勢に対応でき、見てて楽しい、少々やり過ぎの時計製造技術が完成する。