旅をすることはとても楽しく、そしてわくわくする体験だ。未開のアマゾンを探検するなどは、考えてみるだけでも興奮してしまう。家族など身の回りの人も、旅するあなたのことを羨ましくてしょうがなく感じるはずだ。そして旅行時に自動的に旅行ブログを綴ってくれるPolarstepsなどを使えば、さらにまわりの人の羨望の気持ちは大きくなるのかもしれない。そうした発想に同意する投資家もいるようで、Polarstepsはシード資金を獲得することとなった。
アムステルダムの開発者たちが獲得した資金は、50万ユーロ(56万3000ドル)ほどだ。出資したのはSilver Point VenturesおよびTMGだ。獲得した資金はiOS版アプリケーション(現在ベータ版として公開されている)およびAndroid版アプリケーション(開発予定)の開発資金として活用する予定であるとのこと。
アプリケーションのコンセプトもシンプルなものだ。ブログ更新のスケジュールを決めればあとは勝手に記録を残してくれる。現在の位置を取得して、その情報をブログ記事として公開してくれるのだ。家族や友人も、あなたがどこを旅行しているのかを直ちに知ることができる。写真や文章を追加すれば、とうぜんにそれらのコンテンツも追加されることとなる。どのようなブログが出来上がるのかのデモのために、アムステルダムからケープタウンまでをオートバイで旅した際の旅行ブログが残されている。アプリケーション自体に興味のない人も、この旅行記録は一見の価値があると思う。つい自分の旅心がおさえられなくなる人もいるはずだ。
Polarstepsは、「旅行」に対するいろいろな「配慮」も行なっている。たとえば現地通信回線の契約やローミングの準備がなくても、GPSさえ動作していればきちんと記録を残してくれる。ホテルなどに到着して、通信回線ないしWi-Fiが利用できる環境となったときに記録をアップロードしてくれるのだ。高額な通信サービスを利用していなくてもきちんと記録を残すことができるわけだ。
「アプリケーションは現在公開ベータとなっており、誰でも使って見ることができるようになっています」と共同ファウンダーのKoen Drosteは言っている。ベータとしているのは、まだ開発中の機能があって予定しているすべての機能を実装しているわけではないことを示すためなのだそうだ。
旅行用ツールとして、なかなかのできであると評価できるように思う。ただしこのPolarstepsは、全く新しいアイデアから生まれたものというわけではない。むしろさまざまな企業がいろいろなアイデアを試している分野なのだ。たとえばesplorioなどは、とてもよく似た機能を持っている。
ファウンダーのひとりであるNiek BokkersがPolarstepsの開発を思い立ったのは、2013年にヨットによる長期航海に出たときのことなのだそうだ。家族に自分の無事と現在地を伝えておきたいと考えたそうだ。それで家族に自動的に場所情報を伝えるアプリケーションを作ったのだとのこと。家族や、他にも使ってもらった友人たちの評判は上々で、こうした仕組みにはさらに大きな広がりが考えられるのではないかと考え始めたそうだ。
Polarstepsが検知する情報は位置や撮影した写真だけではない。他にも移動距離や現在通過中の国名などの情報を扱うことができるようになっている。
「資金も調達できたことで、Android版の開発にもしっかりと取り組むことができるようになりました。夏にはリリースしたいと考えています」とDrosteは言っている。
iOS版はこちらからダウンロードできる。
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(翻訳:Maeda, H)