TikTokのライバルTrillerがSeaChange Internationalと合併、上場へ

短編動画アプリのTriller(トリラー)が、ビデオデック企業のSeaChange International(シーチェンジ・インターナショナル)と逆さ合併して上場する予定だと、両社は米国時間12月22日に発表した。合併後の企業価値は約50億ドル(約5700億円)となる。両社の取締役会は合併案を承認している。規制当局と株主の承認を経て、2022年第1四半期に取引が成立する見通しだ。

TikTok(ティックトック)と同様、Trillerではユーザーが音楽に合わせて短編の動画を作成・共有する。ロサンゼルスを拠点とする同社は2015年にサービスを開始し、アプリのダウンロード数は2億5000万回を超えた。Trillerは、Justin Bieber、Marshmello、The Weeknd、Alicia Keys、Cardi B、Eminem、Post Malone、Kevin Hartなど多くの著名なユーザーを魅了した。Charli D’AmelioやNoah BeckといったTikTokの人気ユーザーとも契約を結んでいる。Donald Trump(ドナルド・トランプ)元米大統領も利用していたが、1月以降はプラットフォームに新たな動画を投稿していない。

合併完了後、SeaChangeはTrillerVerz Corpに社名を変更する。マサチューセッツ州アクトンを拠点とする同社は、クラウドおよびオンプレミスの動画配信プラットフォームを強化する動画配信ソフトウェアソリューションのサプライヤーを自称している。合併後の会社は、Trillerの親会社のCEO、Mahi de Silva(マヒ・デ・シルバ)氏が率いる。また、SeaChangeの社長兼CEO、Peter Aquino(ピーター・アキノ)氏がTrillerVerzのチームに加わる。

「TrillerVerzは、デジタル世界におけるコンテンツ、クリエイター、コマース、文化の接点に位置するブランドとして、若者文化の代弁者になりつつあると信じています」とデ・シルバ氏は声明で述べた。「私たちの戦略は、魅力的で広がりやすいコンテンツを配信し、クリエイターが収益化するための世界最大の舞台を、文化を高める体験とともに構築し続けることです。SeaChangeと合併することにより、ケーブル、衛星、OTTメディアへのリーチを広げ、当社の広告・マーケティング能力を強化できると考えています」。

TrillerVerzは、コンテンツ、クリエイター、コマースのためのAI搭載ソーシャルメディアプラットフォームとして先頭を走っていると両社は述べた。TrillerVerzは、世界中に進出し、クリエイターエコノミーと新しい技術に関わる新たな成長機会への投資により、収益源を拡げる計画だ。

「TrillerVerzとの経営統合は、クリエイティブの未来に投資する非常に大きな機会を意味します」とSeaChangeのアキノ氏は声明で述べた。「TrillerVerzの比類ないソーシャルメディアリーチ、Z世代のエンゲージメント、コンテンツ・コマース・クリエイターの分野にまたがるグローバルなマルチプラットフォームの存在を意味深く拡大する機会、そしてeコマース、アドテック、NFT、メタバースの最前線にいることが、大きな価値を生み出す可能性のある魅力的な投資だと考えています」。

Trillerと親会社が過去1年間、ソーシャルビデオプラットフォームを拡大するなかで、この合併のニュースがやってきた。Trillerは11月、企業間プレミアムインフルエンサーのイベントや体験に焦点を当てるThuzioを買収した

Trillerは2021年4月、消費財、金融サービス、自動車、通信、政治、デジタルメディアなどのブランドと連携する、AIベースの顧客エンゲージメントプラットフォームであるAmplify.AIを買収。同月、ライブイベントとペイパービューの格闘技ストリーミングプラットフォームであるFITE TVも買収している。3月には、Swizz BeatsとTimbalandが設立したライブ音楽ストリーミングプラットフォームのVerzuzを買収した。

画像クレジット:Sheldon Cooper /SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

TikTokのライバル「Triller」が音楽ストリーミングサービスのJioSaavnと提携してインドに積極進出

TikTok(ティクトック)と同様の機能をもつアプリ、Triller(トゥリラー)は、インド最大の富豪が所有するプラットフォームと戦略的提携契約を結び、中国製アプリが禁止された最大の海外市場でひと儲けを目論む。

米国時間8月24日にロサンゼルスを拠点とするTrillerは、Reliance(リライアンス)傘下でインド最大の音楽アプリであるJioiSaavnと提携し、アプリのセンター位置にTrillerビデオを据える。

Trillerがいうところの「デジタルの大手2社による多くの発表の第1弾」の一環として、JioSaavnアプリはTrillerのビデオを作成できる「prominent」ボタンをメイン画面に設置すると同社は語った。

この発表は、インド政府がTikTokなど59の中国製アプリを禁止したことで生まれた空隙を埋めようと殺到する多数の地元スタートアップの動きに続くものだ。インド政府は2020年6月末に起きたサイバーセキュリティー問題を懸念して禁止を決めた。

TikTokの不在に乗じて稼ごうとする地元企業には、オンデマンドビデオストリーミングサービスのZee5、ニュース集約アプリのDailyHunt、Times Internetの音楽ストリーミングサービス、GaanaとビデオストリーミングのMX Playerなどがある。

インドの億万長者であるMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏の所有するJioSaavnは、インド最大の音楽ストリーミングサービス(未訳記事)であり、ユーザー作成ビデオがもはや馬鹿げたアイデアではないことを示している。

Trillerは、JioSaavnにはインドで3億人以上のユーザーがいるといっている。私はそう思わない。2020年8月に同サービスのAndroidアプリは週間アクティブユーザーが3000万人に満たなかったと、インド有数のモバイル調査会社はいう。そしてJioSaavnのウェブサイトに掲載されている2カ月前のプレスリリースには、月間アクティブユーザー1億400万人と書かれている。

しかし、それよりも興味深いのはこの提携そのものだ。2020年8月初めに通信の巨人であるJio Platformsを運営するReliance Industriesは、TikTokのインドでの事業への投資についてByteDanceと検討を始めたJio Platformsは2020年に、Facebook(フェイスブック)をはじめとする10社ほどの投資家から200億ドル(約2兆1190億円)を調達し、JioTV、JioCinemaおよびHaptikなどのデジタルサービスを運営している。

JioSaavnの共同ファウンダーでCEOであるRishi Malhotra(リシ・マルホトラ)氏は、Trillerとの提携は「アーティストが最も革新的な方法で我々のカルチャーを作り、表現することを可能にする。我々はこの提携によって両社が飛躍的に成長すると信じている」と語った。

TrillerのエグゼクティブチェアマンであるBobby Sarnevesht(ボビー・サーネベシュ)氏も、この提携を喜んでいると声明で語っている。

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カテゴリー:ネットサービス

タグ:Triller TikTok JioSaavn インド

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook