アプリのアップデートは、開発者にとって失われつつある自社ソフトウェアへの関心を再燃させ、ダウンロードを活気づけるための戦略的ツールである。それがイタリアの学者グループによる、アプリ開発者がどうやって注目を引くためにアップデートを利用しているか、その戦略がAndroidおよびiOSでどこまで効果的かを研究した結果だ。
Updates Management in Mobile Applications. iTunes vs Google Play[モバイルアプリケーションにおけるアップデート経営。iTunes vs Google Play]と題したこの論文は、Google PlayストアおよびApple iTunesストアのアプリアップデートの効果を比較検証するものであり、研究者らはアップデートのダウンロード促進の効果はiOSの方がAndroidよりも大きいという結論を下した。
彼らはヨーロッパ5ヵ国のiTunesおよびGoogle Play各ストアで、トップアプリ1000本を6ヵ月にわたって追跡した。アップデートが公開されるのは、開発者がアプリ実績の「悪化」に気付いた時に多いと論文は書いている。
「研究結果は、アップロードがダウンロードを促進すること、および公開されるのはアプリの成績が悪い時であることを確認した。われわれはこの結果を、アプリ開発者がアップデートを「復活に賭ける」戦略として使っていることの証だと理解している」と彼らは書いた。
AndroidおよびiOSの開発者らは、研究者らが言うところの「著しく高い頻度」でアップデートを発行しているが、アップデートの頻度はAndroidの方が高い ― Google Playではアプリが平均28日でアップデートされるのに対し、iTunesでは59日毎だった。
著者らは、Google Playでアプリのアップデートが「大きな影響」を与えていない理由について、品質レビュープロセスがないためだと示唆している ― そのために「高品質、低品質両方のアップデート」が公開され、Google Playにおけるアプリの「過剰なアップデート」はダウンロード全体の与える影響を稀薄化している。
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一方iOSアプリでは、デベロッパーがマイナーアップデート(バグ修正あるいは微小な変更)を、ストアでのアプリ成績を向上させる「戦略ツール」として使っている。メジャーアップデート(アプリの機能に重要な変構をもたらす)には開発期間がかかり、多くの労力が伴うためだ。
つまり、何度もマイナーアップデートを繰り返しているiOSアプリは、開発者が関心の低下と戦うために戦略的行動に出ている兆候だ。
彼らはこう指摘する:
われわれは、アプリの実績が低くなると開発者がマイナーアップデートを発行する確率は高まるが、メジャーアップデートには影響を与えていないことも見つけた。この結果から、マイナーアップデートのみが、過去の低い実績に対する戦略的ツールとして使われている証拠だと解釈している。
その他の研究結果:
- トップアプリの殆どは無料(Google Playのトップ1000中有料アプリはわずか17)
- iOSでトップ1000に有料アプリの占める割合は高い(8.3%)
- アプリ内購入のあるアプリは、iOSの方がGoogle Playよりも一般的でiOSアプリの過半数(56.2%)にアプリ内購入があり、Google Playアプリでは1/3以下(29.7%)だった。
- App Storeダウンロード数はGoogle Playの方がApp Storeより5倍程度多い。
- トップ1000アプリのユーザー評価は両ストア共に4つ星以上だったが、ユーザー評価の件数はGoogle Playが2倍。
- iOSアプリのトップ1000は、平均してGoogle Playのトップ1000よりも古く、人気Androidアプリの回転率の高さを示している。
- いずれのストアでも約1/3(35%)のアプリがローカル(ダウンロードの40%以上が作成者の国からとい定義)。
The research paper can be viewed here.
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)