Varo BankがNBA選手ラッセル・ウェストブルック選手が主導するラウンドで約66.5億円調達

2020年、米国で初めてネオバンクとして全米銀行免許を付与されたVaro Bank(ヴァロ・バンク)は、米国時間2月18日朝、新たに6300万ドル(約66億5000万円)の資金調達を行ったと発表した。このラウンドは、NBAのスター選手であるRussell Westbrook(ラッセル・ウェストブルック)氏が主導したもので、彼はまたアドバイザーとしても同社に加わり、有色人種のコミュニティなど十分なサービスを受けていないコミュニティを対象としたプログラムの方向性に直接助言を与えていくという。

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ウェストブルック氏の投資は、以前ソーシャルアバターのスタートアップ企業であるGenies(ジーニーズ)を支援したRussell Westbrook Enterprises(ラッセル・ウェストブルック・エンタープライゼス)を通じて行われた。

これまでVaro BankにはWarburg Pincus(ウォーバーグ・ピンカス)、The Rise Fund(ザ・ライズ・ファンド)、Gallatin Point Capital(ギャラティン・ポイント・キャピタル)、HarbourVest Partners(ハーバーヴェスト・パートナーズ)、そしてBlackRock(ブラックロック)が運用するファンドなどが投資してきた。Varo Bankは2020年、シリーズDの資金調達で2億4100万ドル(約254億円)を調達している。今回の追加資金により、現在までの調達総額は4億8240万ドル(約509億円)となった。

2017年に設立されたVaro BankはChime(チャイム)、Current(カレント)、N26、Level(レヴェル)、Step(ステップ)、Moven(ムーヴン)、Empower Finance(エンパワー・ファイナンス)、Dave(デイヴ)、GoBank(ゴーバンク)、Aspiration(アスピレーション)、Stash(スタッシュ)、Zero(ゼロ)など、米国で増えているオールデジタル銀行と競合している。

多くのネオバンクと同様、Varo Bankは、月々の手数料や最低残高の要件がなく、現代的なモバイルアプリを使って簡単に利用できる銀行口座を提供している。また、高金利預金も提供しており、顧客は全米に5万5000台が設置されているAllpoint(オールポイント)の手数料無料のATMネットワークを利用できる。しかし、Varo Bankには実店舗の銀行支店はない。

Varoは2020年、米通貨監督庁(OCC)から全米銀行免許を取得し、連邦預金保険公社と連邦準備制度理事会から認可を得て、Varo Bank, N.A.を開設したことを発表。これで事実上「本物の」銀行となった。

現在、Varo Bankは300万以上の銀行口座を持ち、預金残高は前年比900%以上増加していると同社はいう。Varoのプラットフォームにおける利用額も、前年比で300%以上増加している。

ウェストブルック氏がVaro Bankと仕事をすることに関心を持ったのは、同社が銀行サービスを通じて金融の不平等に影響をおよぼすことに取り組んでいるからだ。具体的には、同社は最大2日分の早期給与預金、全国平均より高金利の普通預金口座、資格を得た顧客がVaro Bankアプリで必要に応じて100ドル(約1万550円)まで利用できる短期の小口融資(キャッシング)「Varo Advance」を導入することに力を入れている。この貸付サービスは2020年12月に開始されたが、新型コロナウイルスの影響で、2021年3月までは手数料無料のままとなっている。

今回調達した新たな資金は、Varo Bankのサービス拡大のために使用されるほか、ウェストブルック氏と協力して、十分なサービスを受けていないコミュニティにおける金融リテラシーの構築に焦点を当てたコミュニティ感化プログラムを共同で作成する予定だと、同社はTechCrunchに語った。

「銀行システムは米国の人口の大部分、特に有色人種のコミュニティに対し、無視したり、十分なサービスを提供していませんでした。私は持続的な社会変革を実現し、より強固で包括的なシステムを構築することに情熱を注いでいます」と、ウェストブルック氏は今回の投資についての声明で述べている。「私はVaroと協力して、これまで相応のサービスが受けられなかった人々に向けた経済再活性化の一翼を担うことに興奮し、その準備を整えています」と、同氏は続けている。

Russell Westbrook Enterprisesは今回の投資に際し、Jefferies LLC(ジェフェリーズLLC)から独占的な助言を受けたと、同社は記している。

【追記】Varo Bankの既存の投資家は今回のラウンドに参加しなかったが、他のVCや、ファミリーオフィス、個人が参加した。

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画像クレジット:Varo

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)