テクノロジー業界で今一番ホットなキーワードの1つがAI、人工知能だ。IBMやGoogle、Facebookからドワンゴ、メタップスなど、国内外の大手企業からスタートアップまで、AIを使った様々なビジネスが起こりつつある。
2010年設立のWACUL(ワカル)もAIを使ったビジネスを展開する1社だ。彼らはAIを使ってウェブサイトを分析し、改善の提案をする「AIアナリスト」を4月20日から提供する。現在登録すれば、お試し版として1カ月無料で利用できる。
WACUL代表取締役の大津裕史氏はビービットでユーザビリティコンサルタントとして活躍した後に起業。成果コミット型のウェブコンサルティング(ウェブサイトの課題を分析し、その解決策を提示。成果が出なければ返金もしくは成果が出るまでコンサルを続ける)を展開してきた。
これまでに、ブックオフオンラインやデジタルハリウッドをはじめとして、約100件のコンサルティングを実施。例えばディップの看護師向け求人サイト「ナースではたらこ」などでは、コンバージョン率を以前の4.4倍にまで高めているのだそう。
成果コミット型なんてうたう会社はあまり聞かないけれども、ここまでの話だけであれば「前職のノウハウをもとに独立したウェブコンサル会社」だ。しかしWACULではこれまでのコンサルティングのノウハウをもとに、人工知能のアルゴリズムを開発。AIアナリストというネットのサービスとして展開するに至ったそう。
「サイトを改善するには、まずサイトの分析をしないといけない。これまではその分析を人力でやっていたが、そうすると作業には4〜5日はかかるし、ミスも起こる。そこで、ウェブ課題発見ツール社内ツールとして1年ほど前にサービスの原型を開発した」(大津氏)
AIアナリストではまずGoogle Analyticsとデータ連携を行い、デバイスや流入元、入口ページ、経由ページなどの組み合わせを1つずつ分析。最も優秀(コンバージョン率が高い)な経路での流入を増やすような施策の提案までを自動で行ってくれる。前述の通り、この作業はこれまでは手動で5日ほどかけて行っていたのだそうだが、AIを使ってわずか10分程度で実現しているのだそう。
サービスの価格は月額3万円。継続利用する場合、サービスを利用した月のみ課金する。